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小安 育緒

理学部・理学系研究科の卒業生、教員からのメッセージ

※所属、肩書は掲載時のものです

小安 育緒

小安育緒

フリーランス英語会議通訳

  • 1982 東京大学理学部生物化学科卒業
  • 1984 東京大学理学系修士課程卒業
  • 1991 ボストン大学コミュニケーション学部サイエンスジャーナリズム学科修士卒業
  • 1984-1988 ヘキストジャパン(現・サノフィ)株式会社 勤務
  • 1989-現在 フリーランス英語会議通訳

理学部からフリーランス通訳へ

私の高校時代、得意科目は理系と英語でしたが、小さい時に通訳に憧れたこともありました。ただそれは単なるあこがれで、大学では生命の神秘に惹かれて理学部生物化学科に進学しました。それなりに楽しく勉強したものの修士の頃からは実験に向かないと思い、研究者以外の道を探るようになり、まず一般向け科学雑誌の翻訳アルバイトを始めました。卒業後は外資系製薬会社に勤務しましたが、通訳の夢を追って夜間に通訳学校に通いました。その後、夫のボストン留学に同行し妊娠6ヶ月で渡米しました。1年間は翻訳もやりながら新しい環境で楽しく子育てをし、長男が1歳になった時から主に英語力強化のためボストン大学のサイエンスジャーナリズムの大学院に通いました。卒業後、帰国するまでの数年間で通訳と翻訳の仕事も軌道に乗り始め、第2子、第3子もボストンで出産しました。米国では子育てをしながらの仕事も無理なくできたのは幸いでした。帰国後は主に大学での専攻を活かしてバイオ関連の特許や特許侵害訴訟の翻訳や通訳から始め、今は主に医学・製薬や法律・訴訟関連の通訳をしています。

通訳は毎日が勉強の連続ですが、好奇心旺盛な私には興味を持てる色々なトピックを広く浅く学べるこの仕事は天職だと感じています。私には確固たる人生設計があったわけではありませんが、その時点で何ができるかを考えて選択してきた結果、全てが今に繋がってきたと思います。また私が好きなことをやることに嫌な顔一つしない伴侶に恵まれたことは幸いでした。

若い方々は、是非色々なことに興味を持って沢山勉強してください。若い時に学んだことは忘れにくいですし、キャリアの方向転換をしても、後に思わぬところで役立つかもしれません。また、可能性は無限にあります。今目の前にある道にこだわりすぎず、いつか自分が本当に好きなことを見つけてください。好きなことなら大変でも苦にならないでしょう。