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平野 有沙

理学部・理学系研究科の卒業生、教員からのメッセージ

※所属、肩書は掲載時のものです

平野 有沙

平野 有沙

東京大学大学院理学系研究科 生物化学専攻 特任助教

1985年生まれ。東京大学理学部生物化学科を卒業後、2008年に同じく東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻に進学。2013年3月に博士号(理学)を取得、東京大学総長賞を受賞。2013年4月より博士号を取得した研究室にて特任助教に着任。2014年4月よりUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)に留学予定。


私は学部4年生からこれまで7年間、体内時計についての基礎研究を行ってきました。生物学に興味を持ったきっかけは、小学生の頃にサイエンス系の教育番組で遺伝子の正体がDNAであると知ったことだったと記憶しています。たった4種類の塩基の一次配列が、ヒトという極めて複雑な生物の形、行動、記憶といったすべてをプログラムしていることに衝撃を受けたのです。そのため、将来は生物系の研究者になりたいと思い、東京大学理科二類に進学しました。進学振り分けでは、生物系でかつ分子生物学を専門に学べる生物化学科(生化)を選択しました。同期の女子学生は23人中6人で決して多くはありませんでしたが、東大の女子率も3割程度なので特別少ないとは感じませんでした。それに、生化には研究者として活躍している女性研究者も多く、「女子学生」としての居づらさはありませんでした。卒業研究からは深田研究室で研究生活をスタートしましたが、これまでの大学生活とは比べ物にならないくらい忙しくなりました。研究は他ラボとの競争に勝たなくてはどんなに良い仕事をしても業績にならない、という厳しい現実があり、さらに学位取得には原著論文が最低1報は必要であるため、博士課程3年のときは特に研究に没頭しました。その甲斐あって、卒業の際には東京大学総長賞を受賞することができ、研究の面白さを実感しながら充実した研究生活を送れました。博士課程に在学している頃から、OBOGの先輩方が海外で自由にポスドク生活を楽しんでいる姿を見て、自分も留学を決めました。博士過程2年生のときにグローバルCOEの援助を受けてUCSFの学内リトリートに参加し、他にも海外ラボをいくつか見学しました。これがきっかけで来年の四月からUCSFに留学が決まり、現在日本でやり残した仕事をしつつ留学の準備をしているところです。

理学部在学女子学生へのメッセージ

東大理学部には、人数は少ないかもしれませんけど、それに負けないだけのパワー溢れる人がたくさんいます。また、学生を支援するプログラムが多くあり、環境にも恵まれていると思います。そういったものをフルに活用して、自分のやりたいことを見つけていってください。