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林 久美

理学部・理学系研究科の卒業生、教員からのメッセージ

※所属、肩書は掲載時のものです

林 久美(HAYASHI Kumi)

林 久美

気象庁 札幌管区気象台

  • 1981年 理学部地球物理学科卒業 コンピューター会社に就職
  • 1983年4月 前年、国家公務員試験上級職(物理)に合格し、気象庁に転職 札幌管区気象台観測課に配属
  • 1985年 気象庁予報部長期予報課へ異動。その後予報課、数値予報課、東京航空地方気象台等を経て
  • 2013年4月 札幌管区気象台気象防災部長に着任

なぜ、理系をめざしたかを振り返ると、"文系が苦手だったから"が一番大きかったような気がします。私が大学を卒業したのは男女雇用機会均等法が施行される前で、気象庁への物理職での入庁は女性としては初めてでした。ただし、前例がなくとも就職面接等で頭から拒絶された経験はありません。これは、大学のネームバリューが大きかったものと推測します。

予報部に所属している時に、2人出産しましたが、予報部では初めての産休取得者となりました。出産、子育てに関しては、近年環境は非常によくなっていると感じています。ただ、"キャリアを続けたい"と"育児休暇をしっかり取りたい"という選択はひとりひとりができるといい、と感じています。2人目の出産時は育児休暇の制度が始まっていましたが取得はしませんでした。この問題はひとりひとりにそれぞれの事情があり"これが正解"という解はないですね。

人生も50歳を超えると"無事これ名馬"、"人生万事塞翁が馬"を実感しています。私が20代のころぶいぶい言わせていた職種、会社も栄枯盛衰です。30年後までの人生設計を詳細に考えるのは時間の無駄というアバウトな心も大切かと思います

理科系に必要なスキルは"知的好奇心"と"なんとかなるさという柔軟な発想"、"譲れない部分では譲らないという技術者の誇り"ではないかと、管理職をやっていて感じます。

自分がやっていて苦痛ではない、という仕事を見つけられたらものすごく幸運なことです。その上わくわく出来ることにめぐり逢えたら最高です。"う、ちょっと違う"と思ったらやり直せばいいわけですし、人は自分が気にしているほどあなたに注目しているわけではありません。結局、自分が何をしたいか、が大事ですね。

2013年掲載