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古田 亜希子

理学部・理学系研究科の卒業生、教員からのメッセージ

※所属、肩書は掲載時のものです

古田 亜希子

大鵬薬品工業株式会社 CMCセンター 合成技術研究所

東京大学理学部化学科卒、東京大学大学院理学系研究科化学専攻修士課程修了、東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻博士課程修了、博士号取得、大鵬薬品工業株式会社 研究所勤務


現在、医薬品の有効成分(原薬)である低分子有機化合物を、工業的に製造する方法について研究を行っています。工業化にあたっては、原薬を収率良く製造することのみならず、品質、操作上の安全性、環境負荷、法規制、経済性を考慮しなくてはなりません。このような多くの縛りのなかで目標を達成することが、この仕事のやりがいであると思います。また、有機合成化学に加え、品質を評価するための分析化学、プラントで製造するための化学工学、高品質の原薬を再現性よく製造するための法規制など、必要な技術・知識の幅が広い点もこの仕事の魅力です。

高校生の時に、化学の知識が増えると身の回りのモノや自然現象の本質が少しずつ明らかになってゆくので面白いと感じたことが、化学に興味を持つきっかけとなりました。自律的に研究を行う能力を身につけたいと考えて、博士課程まで進学し、就職活動の際は、化学の専門性を活かすことのできる業界・職種を中心に採用面接を受けました。現在の勤め先については、抗がん剤という明確な強みがある点に魅力を感じ、入社を決意しました。

学生の頃は、月曜日から土曜日まで研究室で実験をして、日曜日には眠るだけという過ごし方をしていましたが、就職してからは仕事と生活のバランスをとる余裕ができました。仕事ではスケールの大きな有機合成実験を行う機会も多く、体力が必要です。そのため、休日には散歩、ジョギング、登山など、なるべく体を動かすようにしています。

理学部在学女子学生へのメッセージ

進路選択は、自身の興味・適性・望む生き方についてよく考えながら行ってほしいと思います。また、仕事には実際に携わってみなければわからない面が多くあるので、自分の選択を後悔することがあるかもしれません。そのような経験も、新たな興味や自身の適性を発見するきっかけになるため、決して無駄にはならないと思います。