自然の叡智と自由な妄想で革新分子を創り出す
大栗 博毅(化学専攻 教授)
1993年 東北大学理学部化学科卒業,1998年 東北大学大学院理学研究科 博士課程修了,博士(理学)。1998~2003年 東北大学大学院理学研究科 助手,2003年 ハーバード大学化学・化学生物学科 訪問研究員,2004年 北海道大学大学院理学研究科 助教授,2007年 同大 准教授,2013~2016年 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業さきがけ研究者,2015~2019年 東京農工大学大学院工学研究院 教授,2020年より現職。2021年シオノギ・低分子創薬化学賞, 有機合成化学協会企業冠賞,2023年第40回日本化学会 学術賞
Q. 子供の頃好きだった教科は?
A. 理科
生き物が好きで,小学校では飼育係も担当しました。近所で捕まえたウシガエルを教室に持ち込んでは,たびたび脱走させていました。小学5年生ぐらいまでは,自分自身も授業中40分以上座り続けるのが苦手でした。
Q. 中高生の頃,どんなことに興味を持っていましたか?
A.
水面スレスレの空中に浮き上がって釣りができる乗り物を創りたいと夢想していました。超低空飛行でどのポイントにも自在にアクセスできれば,釣りはもちろん,水上での活動の可能性も広がりそうです。今なら,ホバークラフト+ドローン+軽量化素材技術でなんとかなりそう?というのは,もはや他力本願となった妄想です。
Q. 座右の銘は?
A. “When one door closes, another opens…”
研究活動では,失恋的なイベント?が幾度となく繰り返されるのが世の常です。しなやかに立ち直りつつ,明鏡止水の気持ちで最善を尽くし,新しい展開をしぶとく拓いていこうと心掛けています。
Q. 趣味はなんですか?
A. 自然の中で生き物や山河と戯れること
出たとこ勝負の釣りが性に合っていますが,外海では船酔いします。仙台・ボストン・札幌で計26年間を過ごしたので,下手の横好きながら,雪山を見ると滑りたくなります。
Q. 自分は運がいいと思う?
A. 大変恵まれていると感謝しています
ご指導いただいた恩師や諸先生方はもちろん,素晴らしい方々との出会いがありました。各所で迷走しながらも,お陰様でなんとか光明を見いだすことができました。
Q. インスピレーションの源は?
A.
大学院生の頃,屋外で液体窒素を汲みながらボーッとしている間に,よく妄想が湧き上がりました。追い込まれつつもよく寝た後に,打開策が浮かぶこともありますが,なんといっても研究室メンバーとの会話で得られた気付きがインスピレーションの源となっています。
ー メッセージ ー