DATE2025.03.04 #お知らせ
免疫応答に関わるケモカイン受容体CXCR2による多様なケモカインの認識機構を解明
発表概要
東京大学大学院理学系研究科の佐野文哉博士課程学生、志甫谷渉助教、濡木理教授、インド工科大学のShirshaSaha博士課程学生、Arun K. Shukla教授らによる研究グループは、1つのケモカイン受容体が多様なケモカインを認識する機構を明らかにしました。
ケモカインとその受容体は、炎症応答、感染防御、損傷組織の修復などにおいて重要な役割を果たします。しかし、ケモカイン受容体の最大の特徴である多対一のシグナル伝達の仕組みは、これまで十分に解明されていませんでした。本研究では、ケモカイン受容体CXCR2を研究対象とし、包括的な構造・機能解析を行うことで、そのシグナル伝達の全容を明らかにしました。これにより、ケモカイン受容体を標的とした、がん・アレルギー治療薬の設計などへ応用が期待されます。本成果は2025年2月19日にMolecular Cell誌に掲載されました。
図:多様なケモカインと結合した受容体CXCR2の立体構造
生体内には多種多様なケモカインが存在し、それらは同様に多くの受容体によって認識されます。この関係は 一対一ではなく、1つの受容体が複数のケモカインを認識し、複雑なメカニズムを通じて免疫応答を制御しています。
発表雑誌
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雑誌名 Molecular Cell論文タイトル