「スクーグ 分析化学」
小澤 岳昌(化学専攻 教授)

| SKOOG・WEST・HOLLER・ CROUCH著,小澤岳昌訳 「スクーグ 分析化学」 |
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東京化学同人(2019年) |
分析化学は多くの研究分野で用いられるセントラルサイエンスであり,環境・医療・材料など幅広い領域・分野に関わる学問である。分析対象となる物質は多種多様であるが,分離や検出の基本原理は共通した概念に基づいている。本書は,スタンフォード大学のダグラス・スクーグ (Douglas A. Skoog)教授らによる名著“Fundamentals of Analytical Chemistry” をもとに,そのエッセンスを学生向けに再構成した翻訳書である。分析に共通する基本概念やデータ処理の考え方から始まり,化学平衡,電気化学,分光分析,質量分析,クロマトグラフィーなど,現代の分析化学を支える主要な手法を幅広く扱っている。さらに,現代の先端研究やトピックをコラムに交え,初学者にもわかりやすく平易な表現で解説している。理学部の講義「分析化学(概論)」は本書の内容にそって解説するので,分析化学の基本概念を体系的に学ぶことができるであろう。
近年の分析機器はブラックボックス化が進み,情報科学の進展と相まって,ボタン一つ押すだけで何らかの「結果」が得られるようになっている。しかし,その結果の背景にある分析化学の原理やデータの取り扱い方を理解することなくして,信頼できる実験結果を提示することはできない。分析化学の本質を学びたい学生に,ぜひ手に取っていただきたい一冊である。

