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理学部ニュース

2024年度より新SPRING GXがスタートしました

大越 慎一(理学系研究科長・理学部長 / SPRING GX事業統括,化学専攻 教授)

 

2024年度より新SPRING GXがスタートしました。SPRINGは,JSTの博士後期課程学生支援事業であり,2021年10月に開始されました。東京大学は「グリーントランスフォーメーション(GX)を先導する高度人材育成(SPRING GX)」というプロジェクト課題で,600名の支援で採択されていましたが,2024年度の再公募により,1,154名へと大幅に規模を拡大して再スタートしました


地球規模の課題解決を目指す,全分野の博士課程学生を対象としたSPRING GXプロジェクト

本プロジェクトでは,グリーントランスフォーメーション(GX)を人類の共有財産である地球環境をより良く管理し将来世代に引き継いでいくための社会の変革,すなわち人の営み全般の地球規模の課題解決,と広く捉え,理工系分野のみならず,人文社会系を含む全15研究科の全分野の学生を対象としています。現在,理学系研究科からは約150名の博士課程学生が参加しています。

SPRING GXでは,奨励金と研究費の支給に加えて,GXに関する各種キャリア開発・育成コンテンツを提供しています。その中心となるプログラムとして,全学の博士課程学生が一堂に会して議論する場であるGX基幹プログラム(グリーン未来交流会,GX俯瞰講義,およびGXインスパイア講義)を年6回開催しています。また,海外派遣プログラムとしてGX大学間連携海外留学プログラムおよびGXに関わる国際会議等への海外派遣研修を実施しており,昨年度は200名近くの学生を30ヵ国を超える地域に派遣し,渡航費や宿泊費等の支援を行っています。加えて,産官学連携インターンシップの提供および費用の支援,キャリアパス開発として企業懇談会の開催や自発的融合プロジェクト研究の支援,セルフプロモーションビデオ制作なども実施しています。

SPRING GX事業統括オフィスは本部組織ですが,事業統括が所属する理学系研究科にオフィスを設置しており,プロジェクト運営を本部学務課および理学系研究科経理・情報システムチームが中心となり全15部局の経理課・学務課と連携して行っています。充実したコンテンツと円滑な運営により,JSTからも全SPRING事業の旗艦(flagship)として非常に高い評価を受けると共に,全学の教員・博士課程学生から,研究に専念して充実した博士課程生活が送れていると喜びの声も多数寄せられています。

新SPRING GXは,19ある本学の修博一貫学位プログラムである東京大学国際卓越大学院教育プログラム(WINGS)の博士課程学生の一部が,WINGSを主として所属しながらSPRING GXの海外渡航など各種コンテンツの支援を受けることが可能です。また,新たに始まったJST国家戦略分野の若手研究者及び博士後期課程学生の育成事業の東京大学「次世代知能社会を先導する高度AI人材育成(BOOST NAIS)」プロジェクトもSPRING GXと連携して運営しています。これらの支援プロジェクトを通して,30年後の世界を牽引し,人類最重要課題の解決に資する人材が多く輩出されることを期待しています。博士課程への進学をご検討の方はぜひご応募ください!

注:科学技術振興機構(JST)次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)事業は,全体の支援人数が10,800名に増加し再公募が行われました。

理学部ニュース2024年9月号掲載

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