DATE2025.08.08 #Press Releases
誕生直後の銀河は予想以上に粒々だった
-「宇宙ぶどう」が破った銀河誕生の常識-
発表概要
トロント大学、東京大学、国立天文台などの研究グループは、ビッグバンから約9億年後に存在した暗く若い銀河が、少なくとも15個以上のコンパクトな星団で構成された「ぶどうの房」のような分裂構造を持ちながら、全体としては滑らかなガスの回転運動を示していることを明らかにしました。この成果は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)とアルマ望遠鏡(ALMA)に加え、重力レンズ効果を利用したかつてない高感度・高解像度を同時に実現した高精度な観測によって得られたものです。このような構造は、これまでのハッブル宇宙望遠鏡(HST)や従来のJWSTによる観測、更には数値シミュレーションの予測とは異なる、予期せぬものでした。対象となった銀河は、大きさや重さなどあらゆる観点で、特異的ではなく、この時代の一般的な銀河であることが観測されており、同様の構造が他の多くの銀河にも隠されていることを示唆しています。今回の結果は宇宙初期における銀河形成の理解を大きく見直す契機となる可能性があります。
本成果をまとめた論文は8月7日午前10時(英国夏時間)、Nature Astronomy 電子版に掲載されました。
なお、本研究は、天文学教育研究センターの河野孝太郎教授および天文学専攻の嶋作一大准教授が参加しています。
図:JWSTによって撮像された、強い重力レンズ効果を引き起こしている銀河団「RXCJ0600-2007」の近赤外線画像。かつてない高解像度の観測により、15個以上のコンパクトな星団が集まり、「ぶどうの房」のような粒状の構造をなす、宇宙初期の銀河の姿が初めて明らかになりました。(左上拡大図)。(Image credit: NASA/ESA/CSA/Fujimoto et al.)
関連リンク
発表雑誌
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雑誌名 Nature Astronomy論文タイトル Primordial Rotating Disk Composed of ≥15 Dense Star-Forming Clumps at Cosmic Dawn

