DATE2025.03.06 #Press Releases
小胞体ストレス応答を促進する分解因子Grr1の同定
――リボソームユビキチン化に起因する翻訳制御の仕組み――
発表概要
東京大学医科学研究所RNA制御学分野/同大学大学院理学系研究科生物科学専攻の稲田利文教授と同大学大学院理学系研究科生物科学専攻の佐藤二千翔大学院生らによる研究グループは、小胞体ストレス条件下における、リボソームのユビキチン化に起因する翻訳制御の仕組みを明らかにしました。本研究では出芽酵母のE3ユビキチン化酵素欠損株ライブラリーを用いたスクリーニングにより、小胞体ストレス応答(UPR)に関わる因子としてGrr1を新たに同定しました。またその後の詳細な解析により、「分解因子Grr1が脱ユビキチン化酵素を分解することで間接的にリボソームユビキチン化レベルを上昇させ、転写因子HAC1 mRNAの翻訳を促進する」という分子機構を明らかにしました。先行研究と比較して、本研究は小胞体ストレス応答についてリボソームユビキチン化に起因する翻訳制御という新たな切り口から解析を行った点で新規性があり、この研究成果は今後新たな治療法や創薬への応用に役立つことが期待されます。
研究成果は2025年3月4日、「Nature Communications」にオンライン掲載されました。
小胞体ストレス条件下での、リボソームユビキチン化に起因する翻訳制御
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東京大学医科学研究所
発表雑誌
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雑誌名 Nature Communications論文タイトル