DATE2023.12.07 #Press Releases
SGLT2の細胞内への糖取り込み機構をクライオ電子顕微鏡解析にて解明
田辺三菱製薬株式会社
東京大学大学院理学系研究科
発表概要
東京大学大学院理学系研究科の濡木理教授と三菱ケミカルグループの田辺三菱製薬株式会社との共同研究においてSGLT2-阻害剤複合体の高分解能でのクライオ電子顕微鏡解析に成功し、糖の細胞内取り込み機構を解明することに成功しました。本研究成果は、2023年12月6日にNature Structural & Molecular Biology誌に論文掲載されました。
SGLT2阻害剤は、腎尿細管において糖の再吸収を行うトランスポーターであるSGLT2を阻害し、血糖値を低下させる2型糖尿病治療薬です。今回の共同研究では、SGLT2タンパク質と様々なタイプのSGLT2阻害剤(4つのグリフロジン化合物と天然物フロリジン)の複合体構造を、クライオ電子顕微鏡を用いて解析しました。その結果、グリフロジン化合物(SGLT2阻害剤)が、ナトリウムが結合した細胞質外側に開いた構造の細胞外側にある糖結合部位に結合するのに対し、創薬の端緒となった天然物フロリジンは、ナトリウムが結合しない細胞内側に開いた構造の細胞質側の部位に結合していることを解明しました。
この構造から得られた知見を元に、トランスポーター機能解析技術による実験データを加えて考察した結果、SGLT2が糖を輸送する際に、ナトリウムが構造変化の起点となり、ナトリウムが外れることで糖の取り込みが起こることを明らかにしました。(下図)
詳しくは、田辺三菱製薬株式会社 のホームページをご覧ください。
発表雑誌
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雑誌名 Nature Structural & Molecular Biology論文タイトル