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受賞・表彰

DATE2026.08.11 #受賞・表彰

合田研究室、XPRIZE健康延伸コンペで決勝進出

―世界トップ10入り、さらに優勝賞金約130億円に挑戦―

発表のポイント

  • XPRIZE Healthspan (注1) は、「健康寿命を最低10年(目標は20年)延伸する」革新的技術の実証を目指す、賞金総額1億米ドル(約160億円)の世界最大規模の長寿・老化研究コンペティションです。
  • 合田研究室は、独自開発したスーパーエクソソーム (注2) を用いた研究により、マウスで健康寿命を大幅に改善し、ヒト換算で15年以上に相当する健康寿命延伸効果を示しました。この成果が評価され、世界600チーム以上の応募の中からトップ10チームに選出され、100万米ドル(約1.6億円)の賞金を獲得しました。
  • 今後は、2030年の最終審査での優勝を目指し、ヒトにおける10年以上の健康寿命延伸の実証に向けた臨床研究を開始する予定です。さらに、株式会社NanoTitanを通じて、スーパーエクソソームの実用化と世界展開を目指します。

概要

東北大学(SiRIUS医学イノベーション研究所、大学院医学系研究科、ヘルススパン研究センター(注3))および東京大学(大学院理学系研究科化学専攻)の合田圭介教授(東北大学国際卓越教授、東京大学教授)(兼 カリフォルニア大学ロサンゼルス校工学部生物工学科非常勤教授)が率いる合田研究室(図1)は、東京リライフクリニックとの共同チームとして、健康寿命の飛躍的な延伸を目指す世界最大規模の国際コンペティション「XPRIZE Healthspan」に参加しました。世界600を超える応募チームの中から決勝進出となるトップ10チームに選出され、その革新的な研究成果が高く評価され、Milestone 2 Awardeeとして100万米ドル(約1.6億円)の賞金を獲得しました。本賞金は、今後の研究開発および実証試験をさらに推進するための研究資金として活用されます。

XPRIZE Healthspanは、XPRIZE財団が主催する7年間にわたる世界最大規模の長寿・老化研究コンペティションです。50~90歳の成人を対象に、1年以内の治療で認知機能、筋機能、免疫機能を最低10年(目標は20年)回復・延伸し、健康寿命を飛躍的に伸ばす治療法の実証を目指しています。賞金総額は1億米ドル(約160億円)で、2023年に開始され、2026年にファイナリストが選出されました。2030年の最終審査では、優勝チームに8,100万米ドル(約130億円)が授与されます。

合田研究室は、細胞外小胞(エクソソーム)(注4)の表面を化学的に改変したスーパーエクソソーム(図2)を開発しました。この技術により、エクソソームが内包する抗老化因子を老化細胞へ高効率に送達することが可能となりました。高齢マウスへの投与により、高い安全性を確認するとともに、虚弱度や身体機能などの加齢関連指標を顕著に改善し、ヒト換算で15年以上に相当する健康寿命延伸効果が期待される成果を得ました(図3)。この成果が高く評価され、決勝進出となるトップ10チームの一つに選出されました。

今後は、2030年の最終審査に向けて、東北大学病院および東北大学ヘルススパン研究センターと連携し、ヒトにおける10年以上の健康寿命延伸効果の実証を目指した臨床研究を実施する予定です。これにより、加齢に伴う心身機能の低下を抑え、高齢者が健康で自立して生活できる期間を延ばすことで、社会保障費の増大や医療・介護人材の不足など、日本が直面する超高齢社会の課題解決に貢献することを目指します。さらに、スーパーエクソソームの有効性と安全性が確認された後は、認知機能、筋機能、免疫機能の維持・回復をはじめ、毛髪再生、皮膚の若返り、不妊治療など、幅広いヘルスケア・ライフサイエンス分野への展開を進めます。また、株式会社NanoTitanを通じて、国内外の幅広い年齢層の人々へ届けるための製造・供給体制を構築し、日本発の健康寿命延伸技術として世界展開を目指します。

図1:XPRIZE Healthspan研究に取り組む合田研究室および東京リライフクリニックのメンバー

図2:開発したスーパーエクソソーム。エクソソームの表面加工により、エクソソームが内包する抗老化因子を老化細胞へ高効率に送達することが可能。

図3:スーパーエクソソーム投与前後の月齢15か月マウス(ヒト換算で約40歳)。複数の高齢マウスを用いた動物実験において、スーパーエクソソームは高い安全性を示すとともに、虚弱度や身体機能などの加齢関連指標を顕著に改善し、コントロール群と比較して健康寿命を統計学的に有意に10か月以上延伸した。この延伸効果は、ヒト換算で約15年以上の健康寿命延伸に相当する。

関連リンク

XPRIZE Healthspan

東北大学大学院医学系研究科・医学部

用語解説

注1 XPRIZE Healthspan
XPRIZE Healthspanは、XPRIZE財団が主催する7年間にわたる世界最大規模の長寿・老化研究コンペティション。50~90歳の成人を対象に、1年以内の治療で認知機能、筋機能、免疫機能を最低10年(目標は20年)回復・延伸し、健康寿命を飛躍的に伸ばす治療法の実証を目指す。賞金総額は1億米ドル(約160億円)。
https://www.xprize.org/prizes/healthspan

注2 スーパーエクソソーム
エクソソーム表面を希土類(ランタノイド)イオンで修飾することにより、特定の細胞(本研究では老化細胞)への標的化能を飛躍的に高めた人工エクソソーム。本研究では老化細胞に選択的に結合する非常に強力なエクソソーム。

注3 東北大学ヘルススパン研究センター
2026年に設立された、老化メカニズムの解明から治療法開発、社会実装までを一気通貫で推進する研究センター。
https://hesrec.tohoku.ac.jp

注4 細胞外小胞(エクソソーム)
細胞から分泌されるナノメートルサイズの小胞であり、成長因子や代謝酵素などのタンパク質、脂質、核酸(DNA、mRNA、miRNA)など、多様な分子を内包する。