DATE2024.10.04 #受賞・表彰
岡林潤准教授が、日本磁気学会「優秀研究賞」を受賞

岡林潤 准教授
このたび、スペクトル化学研究センターの岡林潤准教授が、磁気科学に関して顕著な研究業績を挙げた研究者に贈られる日本磁気学会「優秀研究賞」を受賞されました。おめでとうございます。受賞題目は、「X線磁気分光によるスピン軌道物性の開拓」です。岡林准教授は、理学系研究科スペクトル化学研究センターが高エネ研放射光施設内に設置・維持管理しているビームラインにおいて、X線磁気円二色性(XMCD)及びX線磁気線二色性(XMLD)を用いた分光研究を進めています。これらの磁気分光手法を駆使して、元素選択的なスピン軌道物性の新しい学術の開拓に取り組んでいます。岡林氏の研究の特徴は、化学と物理学の横断的な視点から、軌道角運動量や多極子などの電子状態に基づいて材料設計から物性の解明までを行っている点にあります。今回の受賞は、(i) 磁気異方性の起源の解明、(ii) 外場印加時のオペランドXMCDの開発とそれを用いた「軌道弾性効果」の提唱、(iii) XMLDによる特殊な反強磁性秩序の観測、に関する先駆的な研究成果が評価されたことによるものです。今後のさらなる研究の発展を祈念しております。
(文責:スペクトル化学研究センター長/化学専攻 教授 佃達哉)