DATE2024.05.24 #受賞・表彰
森脇可奈助教が第3回羽ばたく女性研究者賞を受賞
ビッグバン宇宙国際研究センターの森脇可奈助教が第3回 羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)を受賞されました。まことにおめでとうございます。
森脇助教は本理学系研究科の大学院生の頃から、遠方銀河の観測により宇宙の大域的な地図を作ることで、宇宙の成り立ちや進化の歴史を明らかにすることを目標として研究を続けられています。世界に先駆けて深層学習を用いた宇宙観測データ解析法を開発しました。さらに銀河形成のスーパーコンピュータシミュレーションの結果から、遠方銀河からの電離酸素輝線をとらえることで宇宙の大規模構造を探査することができると提唱するなど、宇宙論の分野に新たな展開をもたらしました。
本研究科物理学専攻を修了の後、育児休業を経て現在は次世代の広域宇宙観測計画のためのデータ解析班を率いています。持ち前のリーダーシップを発揮し、我が国の富岳コンピュータを用いるAIの研究でも大活躍しています。森脇助教が提唱した宇宙探査の方法は、東京大学が主導してすすめているSUBLIME電波観測計画でも実現されようとしています。このような先駆的な研究成果が本賞の受賞理由になったとのことで、同分野の共同研究者としても大変よろこばしく思っております。
森脇助教の今後の研究により、ダークマターやダークエネルギーといった宇宙の深淵な謎にせまる成果につながることと大きく期待しています。
第3回 羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1692/index.html
(文責:物理学専攻 吉田 直紀 教授)