学部の教育目的・目標

学部の教育目的・目標

東京大学理学部は、以下の人材を育成するための教育を行っている。

  • (a) 自然科学を中心とする諸分野の第一線で先端的な研究を行う研究・教育者
  • (b) 産業界の要請及び諸研究開発機関などからの需要に応じた創意ある人材
  • (c) 社会の諸方面において理学的素養をもって働く人材

学部共通の目標

理学の教育目的に示す人材養成のための教育活動を行う上で、学部全体に共通する教育目標として、 特に重要と考えるものを以下に示す。

(A) 将来、高い独創性、指導性を備えた研究者・専門家となり、その学問分野さらには社会の発展に寄与する適性・潜在能力のある学生の受入れ

東京大学に入学した学生は2年生の秋に進学振り分けにより、各専門学部への進学が決まる。 教育目的に示す人材養成のためには、進学振り分けの時点で学生が自らの適性を的確に判断できることが重要である。 そのためには、大学入学の時点及び進学振り分けの時点で、 ありのままの理学及び理学部の姿と理学部のアドミッションポリシーを正しく学生に伝達することが目標とされる。 このような適性をもった学生は、教育目的に示す理学に深い素養を持ち社会で活躍する人材の素材ともなるものである。

(B) 理学の基礎的な素養を習得させる教育カリキュラムの編成

理学部の講義、演習、実験は自然科学のほとんどすべての分野をカバーしており、 開講されている科目を多く受講すれば、理学の広範な知識を身につけることが出来る。 真に独創的、革新的な研究を行う人材の育成には、 学部段階ではいろいろな分野にまたがる先端的な講義や実験の学習を必要とする。 一方、社会から要請される理学の幅広い知識を身に付けた人材の育成のためにも、 学部教育においては、限られた期間に、無理なく十分な素養を習得させるような教育を行うことが目標とされる。 このためのカリキュラムの編成及び学生指導が必要である。

(C) 大学院教育基盤となる教育カリキュラムの編成

理学の諸分野で、専門的な研究者として自立して活躍できる人材を作り出すためには、 学部段階において、各専門分野で研究を行うために必要となる基礎技術を習得させることが必要とされる。 この基礎技術、技法の習得のためには、4年間の教育期間では不十分な場合があり、 大学院に進学して研究者、研究技術者を目指す学生のためには、 大学院のカリキュラムと整合的な学部教育を行うことが目標とされる。 現在は理学部卒業生の約80%が大学院に進学することからも、このような学部カリキュラムの編成は重要となる。

(D) 講義、演習、実験、野外調査等の総合的な教育プログラムの実施

自然科学の基盤をなす理学では、講義と実験・観測・野外調査とは不可分の関係にある。 理学の教育成果を上げるためには、 このような理論、実験、観測・野外調査等にバランスの取れた教育体制をとることが必要とされる。 これらの目標のもとに各学科ではそれぞれの分野の特性に応じて、 カリキュラムのなかに講義と実験、野外調査(観測)及び演習を取り入れ、 最終学年には指導教員のもとに卒業研究、特別研究や卒業実験等を組み入れている。

(E) 学生の自主的・主体的な学習意欲を高めるための学習・教育環境の整備・充実

教育目的達成のためには、学生が学習する環境を充実させることが必須である。 学習環境としては、教育内容、教育方法に関わるものに加えて、 図書室、学生控え室等の自主的な学習活動のための設備の充実、 インターネットを通した学生間あるいは教務事務、教員との間の相互連絡の緊密化、学習相談、 経済的支援等の学生生活に関わる支援、等が学生の自主的・主体的な学習を助長するために重要な要素である。