学部の教育目的・目標

学部の教育目的・目標

東京大学理学部は、以下の人材を育成するための教育を行っている。

  • (a) 自然科学を中心とする諸分野の第一線で先端的な研究を行う研究・教育者
  • (b) 産業界の要請及び諸研究開発機関などからの需要に応じた創意ある人材
  • (c) 社会の諸方面において理学的素養をもって働く人材

教育目的

理学部の基本的な教育・研究内容である理学は、 自然現象の仕組みを解明したいという人間本来の知的欲求から出発し、 次第に体系つけられてきた学問であり、これまでに新しい自然観を次々と生み出し、 それをもとにして工学、医学、薬学、等の応用諸自然科学の発展を支えてきた。 理学の諸分野における研究の成果は、それ自体が人類の知的資産の基盤となるだけでなく、 数多くの応用的な科学技術の発展の動機となりつづけてきている。 さらに、新しい素材やエネルギーの開発、グローバルな情報ネットワークの構築、 宇宙や地球環境と人類との調和、 バイオテクノロジー等の重要課題の解決のために理学の役割は近年益々増大している。 これらの理学の諸分野は、その学問の進歩とともに分野間の関係は密接なものとなり、 新しい研究分野が築かれることも多くなってきている。

東京大学理学部においては、このような理学を担う人材養成に当たって、 それぞれの専門分野の基礎知識を体系的に身に付けさせる一方、 狭い分野の知識のみに偏らず、柔軟な発想が出来るような人材を養成するための教育を行うことを目指している。 理学教育の本質は、既に得られた知識を書物で読んだり、 多くの学生を対象とした大教室での講義を聞いただけでは不十分であり、 教育の現場を担う教員達によって常に第一線の研究活動が行われており、 そのような学問的な雰囲気の中で、個別教育・少数授業・セミナー等での教員との人間的な接触を通じて、 学生が自主性を持って、真に創造的な学問の道を学ぶことにある。 また、理学の研究・教育においては、理論と、実験・観測・野外調査は不可分なものであり、 理学の分野で活躍できる人材を養成するためには、実習や実験を通じて、 最上の教師である自然に学生が自ら問いかけ、思索することの重要性を学ぶことが必須である。 これまで述べてきた理学部の歴史と現状、「理学」に関する認識から要請される、本理学部での教育の目的は、

  • (a) 自然科学を中心とする諸分野の第一線で先端的な研究を行う研究・教育者
  • (b) 産業界の要請及び諸研究開発機関などからの需要に応じた創意ある人材
  • (c) 社会の諸方面において理学的素養をもって働く人材

の養成にある。 (a) は学部卒業後大学院に進学し、将来は大学の学部、研究科、研究所等の大学関係や諸研究機関において、 第一線の開拓的な研究・教育を行うこととなる人材の育成である。 研究者、教育研究者の養成は、理学部設立当初以来の最も重要な教育目的であり、 理学部の大学院への進学率の高さからも明らかなように、学生にとっても理学部進学の重要な動機となっている。 一方、近年の科学技術の社会における重要性の増大に伴い、 (b) の創意ある研究者、技術者に対して社会や産業界が寄せる期待は大きくなっている。 また、(c) に関しては、文化の向上に伴って出版報道関係等の文系の様々な分野においても、 しっかりした理学的素養を身に付けた人材の活躍が期待されており、 最高水準の人材を社会へ送り出し、人類社会に重要な貢献をなすことも、理学部教育の重要な目的である。

学生受入れ、教育内容及び方法、教育の質の向上及び改善、学生支援等の教育活動に関わる基本方針は、 「教育目的である人材の養成をより効果的に実現する」ことであり、 この基本方針に基づく行動指針は以下に教育目標として示す。 理学の学習においては、学生本人の自主的・主体的な意欲が本質であり、 教育目的である人材として育つための必須条件でもある。 本理学部における教育活動では、この観点から様々な取り組みがなされている。