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理学部ニュース

酒井広文教授が2023年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受賞

三尾 典克(フォトンサイエンス研究機構長 教授)

 

フォトンサイエンス研究機構/物理学専攻の酒井広文教授が,2023年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受賞されました。


酒井広文 教授

通常ランダムな向きを向いている気体分子の向きを揃えることができれば,レーザー光と分子との相互作用で発現するさまざまな現象の配列・配向依存性を直接的に明らかにすることができます。配列・配向した分子アンサンブルは,化学反応の立体ダイナミクス研究や分子内電子の立体ダイナミクス研究の理想的な研究試料となるため,汎用性が高く,高い配列度や配向度を達成できる手法の開発が長年にわたり望まれていました。酒井教授は,気体分子の配向制御に関し一貫して世界をリードする研究を進めてこられました。静電場とレーザー電場を併用する手法に取り組み,1次元的配向制御から始まり,最近では,高い配向度,レーザー電場のない条件下,3次元的配向制御の3条件を満たす配向制御技術を実現されました。さらに,非共鳴2波長レーザー電場のみを用いた全光学的配向制御の高度化にも取り組んでおられます。このような高度に配向した分子アンサンブルの実現は,分子の振る舞いに関する基礎的な研究の幅を広げるとともに,化学反応のダイナミクスに関する研究の進展や分子デバイスへの応用展開などが期待できる,大きなインパクトのある研究成果と言えます。酒井教授の受賞を心よりお祝い申し上げますとともに,ますますのご活躍を祈念しております。

 

このほか,数理科学研究科/数学科兼担の權業善範准教授および大島芳樹准教授,情報理工学系研究科/情報科学科兼担の高前田伸也准教授が文部科学大臣表彰(若手科学者賞)を受賞されました。

 

理学部ニュース2023年5月号掲載

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