理学部イメージコンテスト2022開催報告

オープンキャンパス実行委員長  松尾 厚
(数理科学研究科/数学科 兼担 准教授)

 

広報室の呼びかけが功を奏したのか,2022年のイメージコンテストでは,昨年を大幅に上回る30件の応募があった。今回もオープンキャンパスはオンライン開催となったため,理学部広報委員会にて投票を行い,最優秀賞1件と優秀賞2件を選出した。入賞作品はいずれも生物に関連するものとなったが,惜しくも次点となった作品は物理に関連するものだった。苦労して画像を準備してくださった皆様,どうもありがとうございました。

最優秀賞
「イカの吸盤と歯」
 金原 僚亮
(生物科学専攻 博士課程 2 年生)
イカの腕に並ぶ吸盤を共焦点顕微鏡により蛍光観察した画像。俊敏に泳ぎながら餌を捉えるためイカの吸盤の縁には突起と歯が形成されます。その精巧さ、力強さからは生物の形態進化の不思議とロマンが感じられます。

最優秀賞「イカの吸盤と歯」は,イカの吸盤を蛍光観察したものである。タコと違って,イカの吸盤には歯の生えたリングがあり,調理の際には除去されてしまうが,その画像は,機能に裏付けされた力強い肉体美にあふれている。

優秀賞「ストレス環境に耐える三日月」は,クマムシのタンパク質を導入した細胞を観察したものである。ストレスで線維化するタンパク質も凄いが,それを美しい画像に結実させる技術も凄いに違いない。同じく優秀賞「対数螺旋の力学」の吉村さんは,昨年の最優秀賞に続き,二年連続での受賞である。貝殻のなす対数螺旋は,生物学的にも数学的にも美しいが,さらに力学的にも美しいことを示そうとする意欲作である。

なお,私が票を投じた作品はすべて選から漏れたことをここに告白する。感性は人それぞれとは言え,少々悩んだことは事実である。イメージコンテストは来年度以降も引き続き開催する予定であり,たくさんの応募があることを期待している。

優秀賞
「ストレス環境に耐える三日月」
 田中 彬寛
(生物科学専攻 博士課程 3 年生)

宇宙曝露にも耐える動物クマムシの耐性タンパク質を導入した昆虫培養細 胞です。この耐性タンパク質はストレスに曝すと線維化し細胞を物理的に 強化します。その様子がまるで宇宙に浮かぶ三日月のように見えました。
 
優秀賞
「対数螺旋の力学」
 吉村 太郎
(総合研究博物館・地球惑星科学専攻 修士課程2年生)
軟体動物の貝殻は対数螺旋と呼ばれる自然の意匠によって形作られていま す。貝殻の3Dデータを解析することで、この曲線に秘められた強度設計を 明らかにしようと試みています。強いものの美しさを印象づける一コマで。

 

すべての応募作品は,理学部ホームページよりご覧いただけます。
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/communication/contests/2022_result.html

 

理学部ニュース2021年9月号掲載

 


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