「女子中高生の未来2022」開催報告
河野 孝太郎(男女共同参画委員長/天文学教育研究センター 教授)
女子中高生とそのご家族や教員を対象とした進学促進イベント「東大理学部で考える女子中高生の未来」を 2022 年7月30 日 ( 土 ) に開催した。昨年と同様に,女子中学生の割合の高さも興味深い(参加者85名のうち33名 )。男女共同参画室長からの冒頭挨拶では,理学での取り組みに加え , 工学部における女子中高生向け企画の紹介など,東京大学全体として多様性を重視する姿勢をお伝えした。生井飛鳥准教授による理学部の紹介に続き,科学技術振興機構(JST)の高村彩里氏に,「「好き」から仕事に ‒ 科学への携わり方を探して」 と題して,ご講演いただいた。化学専攻修士課程を修了・就職後,分光による分析手法をさらに深めるため社会人として博士課程に進み,海外留学をされたご経験や,JST で取り組まれている科学と社会をつなぐお仕事,またライフイベントとの関係など,多角的にお話しいただいた。次に,本研究科生物科学専攻の藤泰子助教より,「遺伝子の運命を決める ‒ エピ遺伝学とは」という題目で,ご自身の研究をわかりやすく解説していただいた。いずれの講演にも専門的な内容から進路選択まで多くの質問があった。
藤先生のご講演の様子
後半は,理学部10学科の学生による TA企画である。順に自己紹介をしたのち,自身の研究について紹介を行なった。どの学生も 子中高生とそのご家族や教員を対象とした進学促進イベント「東大理学部でお話しが上手で,生き生きとした語り口は,参加した女子中高生の皆さんやご家族,先生方にも響いたと思われる。その後 5 つの個別のルームに分かれて懇談を行う時間が 2 回取られた。今年は例年以上に大変盛り上がったとのことである。
一人でも多くの生徒さんが,このイベントを通して東大理学部への興味を深め,今後の進路選択に活かしてくれることを願っている。ご講演いただいた高村様,藤先生,学生の皆様, これだけの規模のイベントを入念に準備・実行していただいた男女共同参画委員会ご担当の皆様,また総務・広報各チームの皆様・関係各位に深く御礼申し上げる。
理学部ニュース2022年9月号掲載