「革新分子技術」総括寄付講座が第63回科学技術映像祭部門優秀賞(研究・技術開発部門)を受賞

大越 慎一(化学専攻 教授)

 

統括プロジェクト機構・理学系研究科化学専攻の「革新分子技術」総括寄付講座が,第63回科学技術映像祭 部門優秀賞(研究・技術開発部門)を受賞されました。授賞対象となった映像の題名は,「結晶ができる瞬間をカメラで捉えた!」で,本学における最先端の研究を中学生・高校生に伝えるための教育用映像としての貢献が評価されました。



中村栄一特別教授が主宰する「革新分子技術」総括寄付講座では,高速カメラを備えた原子分解能透過電子顕微鏡を駆使して原子および分子の動きや化学反応を観測する手法を開発し,原子や分子が化学反応する様子をリアルタイムで見てみたい,という科学者の長年の夢の実現に挑んでいます。その結果,ナトリウムイオンと塩素イオンのイオン対から直方体の食塩結晶ができあがる過程の一部始終の映像化,という希に見る成果に結実しました。食塩の結晶化実験は小学校から高校に至る化学の教科書の定番実験ですので,面心立方構造の食塩の結晶がみるみるとできあがる様子を示したこのビデオ映像は世界中の注目を集めました。今回のご受賞は,このような最先端の研究内容を分かりやすく明瞭に解説した点が高く評価されたものです。20世紀は映像の世紀といわれますが,21世紀になった今,原子や分子の映像が科学教育に活用される時代がついに到来したことが実感されます。


東京大学「革新分子技術」総括寄付講座 YouTubeチャンネル

中村特別教授は2010年には「炭素クラスターのソナタ」で第51回科学技術映像祭部門優秀賞をご受賞,今はさらに,結晶のビデオの英語版制作から小学生向けの教材まで幅広い教育展開を始めておられるとも聞いています。最先端研究と科学教育を結びつけるお仕事の一層のご発展をお祈り申し上げます。

 

 

理学部ニュース2022年7月号掲載

 

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