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理学部ニュース

博士学生の多様なキャリアの可能性を知る

川野 充郎/山岸 慎司(理工連携キャリア支援室 キャリアアドバイザー)


2021年度理学部キャリアシンポジウム
ポスター
理工連携キャリア支援室では,2021年11月18日(木)に,毎年恒例の「理学部キャリアシンポジウム」をオンライン開催した。キャリア支援室長・高橋嘉夫教授の挨拶に続き,博士課程を修了した3名の方にご講演いただいた。

はじめに「理学の精神とソフトウェア開発」と題して,株式会社エリジオンの村下湧音氏(物理学専攻卒)が講演した。村下氏は,博士課程の純粋理論研究で培った数理的な素養が生かせる,自分が成長してスキルを得られる,待遇がよいの3点を重視して積極的に多くの企業を見た結果,オファー型就活サイトを通じて出会ったベンチャー企業に入社を決めたこと,「自分の就活の軸を明確にすることが大切」ということを話した。次に「「りばけ」から企業に出て」と題して,東レ株式会社の小野塚智也氏(化学専攻卒)が講演した。小野塚氏は世の中に役立つものを作りたいと考え,大手化学企業の先端材料研究所に就職した。博士課程まではユニークな物質を合成することに面白さを感じていた。企業の研究は「お金になること」がゴールだが,同社は,20%の時間を本来の業務以外の研究に使える自由度もあり,日々の仕事を楽しんでいると話した。最後に「理学系博士学生の就活」 と題して,日本電気株式会社の山口裕貴氏 (天文学専攻卒)が講演した。山口氏は博士2年後半から民間企業も考え始め, 学生から直接企業に働きかける博士限定の逆求人イベントなどに参加し,声をかけてもらった数社の中から同社に決めたこと,博士学生は,自分の強みに軸足をおき,気になる企業には自分から売り込みをかけることも有効であると話した。

イベントには約100名の学生が参加し,活発な質疑応答が行われた。アンケート結果では,参加した学生の94%が,「参考になった」と回答した。3つの講演を通して,博士課程で身につけた基礎力を活かし,社会で多様なキャリアを形成できる可能性があることが示され,学生は大いに勇気をもらえたのではないかと思う。

理学部ニュース2022年1月号掲載

 

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