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理学部ニュース

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鈴木 洋平

(地球惑星科学専攻准教授)

地球の未踏のフロンティアである地下や深海に生息する生物を調査している科学者たちは、光合成による有機物が得られない暗黒の生物圏において、水と岩石の反応によって生成される物質が生命を繁栄させていることを発見しました。この研究分野では、生命が繁栄するためには、岩石物質が高温で効率的に生成され、熱による水の移動によって生物に運ばれると考えられています。このことは、世界中の深海熱水噴出孔や陸上温泉の集中的な研究によって実証されています。生命の進化を調べる際、PCR法で増幅した数個の遺伝子の塩基配列を使って、どの微生物がセントラルドグマを中心としたすべての生物に共通する普遍的共通祖先に近縁かを推定しました。その答えは好熱性微生物で、多くの科学者は、高温の水に住む微生物が生命の初期進化に制約を課していると考えています。

これまでの教科書レベルの事実は、最新の科学技術、特にゲノム解析による新たな研究成果によって時代遅れになりつつあります。数少ない遺伝子のPCR増幅塩基配列ではなく、生物の進化の情報源となるゲノムの100近い遺伝子の塩基配列を用いることで、生命の初期進化がこれまで考えられていたものとは劇的に異なることがわかりました。このゲノムワイドな情報から、冷水に生息する極小の原核生物が、私たちの共通祖先に近い生物であることが明らかになりました。 極小」とは、細胞やゲノムのサイズが一部のウイルスと同等で、典型的な原核生物よりも小さいことを意味します。小さな原核生物に共通する特徴は、有機物を発酵させてエネルギーを作り出すことです。私たちの共通の祖先に近いこれらの小さな原核生物は、地下の岩の割れ目から冷たい水が流れ込む暗黒生物圏の重要なメンバーとなっています。このことは、地下環境が私たちの共通祖先の進化にとって重要な場所であった可能性を示唆しています。

地下微生物の生態が明らかになったことで、私たちの研究室の研究成果は、一般的な生命観を変えようとしています。冷たい岩石の中の閉鎖空間では、生命維持に必要な物質が水の移動によって運ばれないため、生命は生存できないと考えられていました。ところが意外なことに、私たちは水の移動の痕跡がない冷たい岩石の中に微生物を発見したのです。これらの微生物は、人間の腸内と同程度の密度で密集していました(『リガクブニュース』2020年7月号掲載記事で紹介)。この発見を可能にしたのは、岩石の中の微生物を直接見ることができる世界初の新技術の開発です。この技術革新は、17世紀にレーウェンフックが顕微鏡で初めて微生物を観察したことに例えられると思います。

岩石の中には、岩石の種類の多様性に匹敵する多様な生育環境があり、岩石の生息環境に適応した微生物が次々と発見されることが期待されます。地下岩盤の冷たい水を支配する小さな原核生物のように、新しく発見された微生物の中から、私たちの共通の祖先の特徴を残した原始生命が見つかることを期待しています。粘土や金属硫化物などの鉱物の表面で生命が誕生したという仮説は、岩石中の鉱物を利用する微生物が私たちの共通祖先と近縁であるかどうかを調べることで証明できると考えています。

今後の生命探査で何が見つかるか楽しみです。

(右上)海洋地殻から掘削・採取された玄武岩質の岩石サンプルの薄切片。拡大画像は、右上の水色の枠で示したサンプルから採取した緑色のDNA染色微生物細胞の蛍光顕微鏡画像。右上画像の下部に1mmのスケールバーを表示。

- この記事はリガクブニュース「科学の謎」シリーズからのものです。

翻訳:クリスティナ・アワツ、コミュニケーション・オフィス