2025年度理学系研究科・理学部諮問会が開催されました
大越 慎一(理学系研究科長・理学部長* /化学専攻 教授)
* 執筆当時
諮問会の様子
2026年2月9日(月)に行われた理学系研究科・理学部諮問会は,前年度までと趣向を変えて,懐徳館に集合して国指定文化財(名勝)である日本庭園を見学した後,理学部2号館および生物科学専攻土松研究室を見学し,土松隆志教授より最先端の研究に関してご紹介いただきました。昼食を挟んで,理学部1号館二階会議室に移動し,諮問委員長の小安重夫氏,委員の家泰弘氏,川合眞紀氏,花輪公雄氏,福田裕穂氏から諮問を受けました。小職から,この一年間の理学系研究科の取り組みに関してご報告を行った後,事前に用意した以下のような諮問事項に沿って討論を行いました。
(1)国際卓越研究大学申請における,新2学部(ディープテック学部とコンピューティング学部。この2学部には理学部から,情報科学科(30名)と数学科(6名)の学部生の定員を移行する構想)の設置計画に関して説明し,助言等を頂きました。(2)国際化に関しては,化学科の学部3,4年生向け英語教育グローバル・サイエンス・コース(GSC)と大学院生向けグローバル・サイエンス国際卓越大学院コース(GSGC)に加えて,グローバル・スタンダード理学(GSSE)による学部後期課程における英語教育や,共同指導型博士ダブルディグリーの展開と今後の拡充について議論を行いました。(3)大学院入試に関して,大学院留学生の割合を将来40%まで引き上げる将来計画を踏まえて,日本人と外国人の入試のあり方や修士博士一貫入試などに関して意見交換を行いました。(4)各種海外インターンシッププログラムについては,とくにUniversity of Tokyo Research Internship Program(UTRIP)が,15名の募集定員に対して,3000名近い応募があり,東京大学理学部に興味を持つ海外の学生が多いことを説明すると共に,その人気をどのように理学系研究科・理学部の発展につなげるかを議論しました。(5)学部女子学生数の伸び悩みに関しては,20年間にわたってあまり増加していない点を再確認するとともに,女子学生数向上のための議論を行いました。(6)外部資金やエンダウメントが求められている将来の大学経営において,自然科学および基礎科学研究を主とする理学系研究科は,理学的研究の水準を維持しつつどのように対応していくか,同時に,寄付講座・社会連携講座のガバナンス管理体制のあり方についても議論しました。(7)教育・研究以外に多岐にわたる業務拡大に際して,教員と事務職員の多方面にわたるリソースの不足をどう解消するかについて,とくに,教育および事務マネージメントにおけるAIの有効活用について議論しました。
いずれの論点でも,有意義なご意見やアイデアを頂き,理学系研究科・理学部の運営に今後役立てていきたいと思います。
別表:諮問会委員名簿(敬称略)
家 泰弘 中部大学 副理事長
奥村幸子 日本女子大学理学部 教授
川合眞紀 自然科学研究機構 機構長
小安 重夫 量子科学技術研究開発機構 理事長
花輪 公雄 海洋研究開発機構 特任上席研究員
福田 裕穂 秋田県立大学 理事長兼学長

