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理学部ニュース

合田圭介教授と丁天本助教が文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞

佃 達哉(化学専攻長 教授)

 



(左)合田圭介 教授、(右)丁 天本 助教

このたび,化学専攻の合田圭介教授と丁天本助教が,文部科学大臣表彰科学技術賞(科学技術振興部門)を受賞されました。本賞は,研究開発の社会的必要性に関する研究などの分野において,科学技術の振興に寄与する活動を行い,顕著な功績を挙げた個人またはグループを文部科学省が表彰するものです。本賞は,合田教授が率いるグループの主要メンバーであるカリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, LosAngeles,UCLA)のディノ・デ・カルロ(Dino DiCarlo)教授,鶴岡工業高等専門学校の伊藤卓朗准教授にも授与されました。

現代の科学研究,とりわけ生物学や医学の分野では,多様な学問領域の先端技術を統合した学際的研究が不可欠です。また,科学技術の発展を担う次世代研究者の育成には,従来の閉鎖的な研究室の枠を超えたより開かれたオープンサイエンス型の研究環境の整備が求められています。

合田教授は,従来は個々の大学や研究機関で独立して行われていた研究活動を,環太平洋地域および世界規模へと拡張し,各国のトップクラスの研究者間で持続的な交流を可能にする新たな研究組織「 Serendipity Lab」を構築しました。この組織のもと,研究者の相互訪問のみならず,セミナーやワークショップ,国際シンポジウムなど,多様な交流の場が定常的に運営される枠組みを確立しました。

この活動を通じて,ネットワーク型の国際共同研究が多数生まれ,世界トップ10%論文を含む多くの国際共著論文が発表されました。また,多様な視点を養い,柔軟な発想で研究を推進できる環境のもと,次世代を担う優秀な若手研究者の育成にも成功しました。これらの取り組みは,新たな研究育成体制のモデルとしても高く評価されています。

Serendipity Lab は,学際的かつ国際的な生体医工学研究の発展に大きく貢献してきました。こうした功績を踏まえ,合田教授と丁助教が文部科学大臣表彰科学技術賞(科学技術振興部門)を受賞されることは,まさにふさわしいものと言えるでしょう。

合田教授,丁助教のご受賞を心よりお祝い申し上げるとともに,今後ますますのご活躍をお祈りいたします。