大越慎一教授,生井飛鳥准教授,吉清まりえ助教が山﨑貞一賞を受賞
山田 鉄兵(化学専攻 教授)

第24回山崎貞一賞贈呈式の様子
このたび,化学専攻の大越 慎一教授,生井 飛鳥准教授,および吉清 まりえ助教が共同で,材料科学技術振興財団より山崎貞一賞をご受賞されました。
この栄誉ある賞は,故 山崎貞一 材料科学技術振興財団初代理事長の名を冠し,論文の発表,特許の取得,方法・技術の開発等を通じて実用化につながる顕著な業績を挙げた研究者に贈られるものです。過去の受賞者には吉野彰氏(2011年,材料分野)や山中伸弥氏(2008年,バイオ・医科学分野)などが名を連ね,白川英樹氏が初代選考委員長を務めた由緒ある賞です。
大越教授ら3名の受賞題目は「イプシロン酸化鉄磁石の開発と応用展開」です。イプシロン酸化鉄は,酸素と鉄からなる極めてシンプルな組成ながら,大越教授らはそこに巨大保磁力,ナノ粒子化,ミリ波吸収特性などの芳醇な科学を導き出し,特にBeyond 5G,IoTの時代に向けた重要な物質として評価されています。この業績は,東京電気化学工業株式会社(TDKの前身)の二代目社長として,世界に先駆けてフェライトおよびその応用製品を事業化した故山崎貞一氏の名を冠する本賞にふさわしいものといえます。贈呈式・祝賀会は,佐々木毅日本学士院長臨席のもと,11月27日に日本学士院にて執り行われました。
大越教授,生井准教授,吉清助教の素晴らしい業績とご受賞を祝福し,今後のさらなるご活躍をお祈りいたします。