「2024年東京大学理学系研究科・名誉教授の会」報告
榎本 和生(副研究科長/生物科学専攻 教授)

理学部1号館小柴ホール前ホワイエにて
2024年度の理学系研究科・理学部名誉教授の会が,9月12日(木)午後4時より小柴ホールで,対面とオンラインによるハイブリッド形式で開催されました。名誉教授の会は,歴代の名誉教授の先生がたをお招きして,研究科の現状を紹介しご歓談いただく,理学系研究科の秋の年中行事です。今年は19名の名誉教授が対面で,また2名の名誉教授がオンラインでご参加くださいました。現役教職員からは,研究科長をはじめとする執行部,専攻長,事務部から事務部長,各課の課長,合わせて19名が参加いたしました。
まず,大越慎一研究科長より,理学系研究科の現状が紹介され,プロジェクト立ち上げから26年をかけて遂に本年完成したチリの東京大学アタカマ天文台(TAO)ついて説明がありました。さらには,人事や財務に加え,学内で理学系研究科が先陣を切って進めてきた海外の大学とのダブルディグリー制度や,概算要求で認められたグローバルスタンダード理学教育部門といった取り組みについて紹介しました。続いて,化学専攻の小林 修教授が,「持続可能な社会に向けて〜有機合成化学からのアプローチ〜」というタイトルで講演し,名誉教授の先生との間で活発な質疑応答が行われました。講演終了後はホワイエに場所を移し,対面での懇談会が開かれました。懇談会では名誉教授の先生お一人ずつの近況報告を兼ねたご挨拶をいただきました。本年度の会は,終始和やかな雰囲気の中で進行し,名誉教授の先生がたからは,懐かしいお話から,今だから言えるようなお話まで,多岐にわたるお話を伺うことができ,理学部の歴史と奥深さを感じる機会となりました。このような機会により,長年にわたり理学系研究科・理学部が守ってきた個々人の興味を自由に追求できる気風をしっかりと守りつつも,現状にとどまることなく,常に新しいブレークスルーを目指してチャレンジし続けることの重要さを,改めて強く意識できる1日となりました。