理学のタマゴ
「私と理学のエンタングルメント」
通岡 知輝(化学専攻 修士2年生)
出身地:千葉県
出身高校:市川高等学校
出身学部:東京大学理学部 化学科
Q. 中高生の頃,どんなことに興味を持っていましたか?
A. 化学の研究活動
中高生の頃,反応中に発光物質の発光強度が周期的に変化する,「化学発光振動反応」と呼ばれる反応の研究をしておりました。授業が終わるとすぐに実験室に向かって研究活動に勤しんだのは良い思い出です。
Q. 東大理学部のいいところはここ!
A. 講義選択の幅の広さ
理学部では所属学科とは異なる学科の講義も一定数受けることができ,さまざまな分野の研究室が理学部に集まっているため,1つの分野に囚われない幅広い知識を身につけることができると思います。
Q. 理学部に進学しようと思ったきっかけは?
A. 五月祭展示企画「Physics Lab.」
毎年五月祭で物理学科の学生の方が実施されている企画です。高校1年の頃に父親と企画を見に行きました。学生の方が熱心に最先端の物理学を解説されていたのが印象に残り,理学部を目指すきっかけになりました。
Q. 研究で一番嬉しかったことは?
A. 論文の採択
中高生の頃の研究内容をまとめた論文が採択されたときはとても嬉しかったです。高校卒業後もお世話になった高校の指導教諭や他大学の先生とやり取りを続け,無事採択に至りました。
Q. 研究や学問のどこが楽しいですか?
A. 目覚ましい発展を遂げている量子技術の研究現場に身を置けること
今は量子コンピュータを使った量子化学計算の研究をしています。この分野はとにかく技術革新のスピードが早く,3年前の論文の内容が十分古く見えるほどです。いつもわくわくしながら研究に取り組んでいます。
Q. 趣味は何ですか?
A. 好きなボカロP注1のCDのコレクション
曲自体は動画サイトなどで聴けるものが多いですが,今年6月のニコニコのサービス一時停止といった出来事があり,インターネット上にあるものも永遠ではないという心配があるので今後も続けていきたいです。
注1:ボカロP:ボーカロイドソフトを用いて楽曲を制作してリリースする人のことを指し,この「P」はプロデューサーを意味している
Q. 自分は運がいいと思う?
A. 多くの学びの機会に恵まれてきました
高校はSSH指定校だったためある程度しっかりした研究活動ができ,他大学の高校生向けプログラムへの参加で大学の先生から研究活動を支援していただく機会がありました。今後の研究活動を通じ社会に還元したいです。
Q. 将来の夢はなんですか?
A. ソフトウェアの側から世界の量子技術に貢献する研究者になること
研究活動の傍ら定期的に量子計算関連のオープンソースのソフトウェア開発への貢献を続けています。将来的には,新しい計算手法の提案から社会実装までを一続きに実行できる研究者になりたいと考えています。
Q. 朝型ですか?夜型ですか?(活動の時間帯)
A. 夜型
私の場合,日が落ちて辺りが暗くなる時間帯に集中力が増す傾向にある気がします。ただ,学会は朝から始まることが多いので,学会の日が近づくたびに「朝型人間にならないとなあ……」という気持ちになります。
Q. 日々の研究や勉強で,息抜きには何をしていますか?
A. ボカロMV注2の鑑賞
バーチャルシンガーの一人である初音ミクが大好きで,疲れた日や落ち込むことがあった日にはいつも見ています。ミクさんの歌声とダンスに心が癒されて,自分ももう少し頑張ってみよう!という気持ちになります。
注2:ボカロMV:ボーカロイドを用いた楽曲にミュージックビデオがついたもの
幼中高生の頃,研究活動でお世話になった化学発光物質のルミノール(左上)とL-012(左下)の構造式。
似た構造を共有していますが、発光強度の変わり方はルミノール(右上)とL-012(右下)で異なります
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