杉村薫准教授がナイスステップな研究者に選定!
黒田 真也(生物科学専攻 教授)
杉村薫 准教授
このたび,東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻の杉村薫准教授が,科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が選定する「ナイスステップな研究者2023」に選ばれました。この栄誉ある賞は,日本の科学技術イノベーションに貢献する研究者に授与され,杉村准教授の独創的な業績が高く評価されました。
杉村准教授の研究は,生物学,物理学,統計学を組み合わせることで,多細胞集団がどのようにして秩序ある構造を形成するかを解き明かすものです。特に,力のベイズ推定法を用いて細胞の形やパターンを物理学の視点から分析し,多細胞生物がどのように機能する体を獲得するかの基本的な理解に貢献しました。このアプローチは,細胞間の力学的な相互作用を新しい視点で捉え,細胞集団の自己組織化のメカニズムを明らかにしています。
杉村准教授は,研究者コミュニティの形成や教育プログラムの整備にも熱心に取り組んでおり,分野横断型の研究会「定量生物学の会」の設立や,生体内力計測手法の国際的な共同研究などを通じて,生命科学の新たな地平を切り開いています。
杉村准教授の選定は,彼女の研究分野における画期的な進歩と,学際的なアプローチに対する顕著な貢献を示しています。このような先駆的な研究が,今後の科学の進展に重要な役割を果たすことでしょう。杉村准教授のさらなる活躍と,その業績がもたらす影響に大いに期待しています。ご選定,おめでとうございます!