DATE2021.02.22 #Press Releases
NEDOの事業成果を集約したプラットフォームを構築
―レーザー光源や加工機を連携させ、最適な加工条件を探索―
新エネルギー・産業技術総合開発機構
東京大学
産業技術総合研究所
三菱電機株式会社
スペクトロニクス株式会社
大阪大学
浜松ホトニクス株式会社
パナソニック株式会社
パナソニック スマートファクトリーソリューションズ株式会社
株式会社金門光波
千葉工業大学
レーザー技術総合研究所
ギガフォトン株式会社
株式会社島津製作所
概要
ものづくり現場では電子回路基板用ガラスへの微細貫通穴あけのような、情報通信機器向け部品や医療機器部品のマイクロ加工といった高品質かつ微細な加工や、炭素繊維強化プラスチックなど難加工材料への加工が要求される例が増えています。そのため、従来の機械加工では不可能だった微細な加工ができるレーザー加工の重要性が高まっており、将来的には加工機のクラウド連携やスマート化が進むと見込まれる中で、デジタル制御と親和性が高いレーザー加工システムは日本のものづくりにおける最重要ツールの一つになると期待されています。
しかし現在、ものづくり現場で広く用いられている切断や穴あけ、溶接、接合といったレーザー加工技術は電気効率や加工効率が低く、加工精度の観点でも多くの改善すべき点が挙げられています。また、加工対象物によって異なる最適な加工条件は、熟練作業者の経験と勘を頼りに選択されているという課題も抱えています。このため日本がものづくりで今後も高い競争力を保持していくためには、高輝度で高効率な実用性の高いレーザー装置と加工機の開発と、すべてのユーザーが加工目的に合わせて最適な加工条件を選択できるようにする仕組みの確立が求められています。
こうした中、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2016年度から2020年度の期間で実施しているプロジェクト「高輝度・高効率次世代レーザー技術開発」の中で、微細な加工が可能な高品位レーザー加工機や表面改質を可能とする高品質レーザー、さらに金属加工を効率的に行うことができる短波長レーザーなどのレーザー光源および加工機の開発を進めてきました。また、効率的な加工を可能にする条件を実験的手法と理論的考察の組み合わせによって引き出すことを目指し、TACMIコンソーシアムと連携してさまざまな加工条件における加工特性評価やデータ取得・データベース化を行ってきました。
そしてこのたび、国立大学法人東京大学と国立研究開発法人産業技術総合研究所、三菱電機株式会社、スペクトロニクス株式会社、国立大学法人大阪大学、浜松ホトニクス株式会社、パナソニック株式会社、パナソニック スマートファクトリーソリューションズ株式会社、株式会社金門光波、学校法人千葉工業大学、公益財団法人レーザー技術総合研究所、ギガフォトン株式会社、株式会社島津製作所は、同プロジェクト内の研究開発テーマの一つである「最適条件を導くレーザー加工プラットフォームの構築」に基づき、最先端のレーザー光源や加工機・加工技術を集約し、各装置の品質評価や計測技術といった共通基盤技術、さらに実加工事例をデータベース化した開発成果を組み合わせることで、レーザー加工に関する産学官協創の場としてのプラットフォーム「柏Ⅱプラットフォーム」を構築しました。加工ユーザーは本プロジェクトで開発された最先端のレーザー光源やレーザー加工機を容易に利用できるだけでなく、集約されたレーザー技術と共通基盤技術およびデータベースの効果や適用可能性を検証することができます。
詳細については、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) のホームページをご覧ください。