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Press Releases

DATE2023.06.28 #Press Releases

惑星はいつ誕生するのか~惑星形成の最初期段階を捉える

 

国立天文台

東京大学大学院理学系研究科

 

発表概要

台湾中央研究院の大橋永芳氏を中心とする国際研究グループは、地球の近傍に位置する、星形成開始から1-10万年程度の初期段階にある19の原始星について、アルマ望遠鏡を用いてこれまでにない高い解像度で周囲の円盤を観測し、円盤の詳細な構造を系統的に調べました。その結果、原始星周囲の円盤では、星形成の比較的後期段階にある原始惑星系円盤と比べ、惑星系形成の兆候は見られないか、見られても原始惑星系円盤ほど惑星系形成は進んでいないと推測されました。今回の結果から、惑星系形成は中心の恒星の形成開始10万年後から100万年後ぐらいにかけて急速に進むと考えられ、惑星形成の最初期段階を捉えた本研究は「惑星系がいつ形成されるのか」という問いへの理解を深めるものです。

本研究の初期成果は、18編のシリーズ論文として出版予定ですが、そのうちの概要を解説した論文Ohashi et al.他5編が米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に受理され、その内最初の4編は2023年6月287日付で掲載されます。また、5編のプレプリントはarXivに2023年6月27日付で公開されました。これらの論文に加え、今後は、さらにデータ解析を行い、その結果をより統計的に解釈する論文も出版する予定です。

※7月4日掲載日修正

 


図:原始星周囲の円盤の想像図 Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)

 

本プレスリリースには 、本学大学院博士課程2年の大和義英さんが筆頭著者である論文も含まれます。

詳しくは、国立天文台 およびALMAプロジェクトのホームページをご覧ください。