2021/04/22

129億年前から銀河は回転していた

 

―アルマ望遠鏡と天然のレンズが捉えた宇宙初期の小さな銀河とその内側

 

国立天文台

東京大学大学院理学系研究科

概要

アルマ望遠鏡を使った観測で、ビッグバン後9億年の宇宙に、天の川銀河の1/100の質量しかない小さな銀河が発見され、さらにこの銀河が回転によって支えられていることが分かりました。これほど若い時代の宇宙で、これほど小さな銀河が回転に支えられていることが分かったのは、今回が初めてです。これは、この小さな銀河より手前にある銀河の大集団(銀河団)の重力によって光が増幅される「重力レンズ効果」のおかげです。宇宙初期にはこれまでの観測ではとらえられないような暗くて小さな銀河が多かったと考えられますが、今回の研究はそうした「普遍的な銀河」の姿に初めて切り込み、これまでにない解像度で描き出しています。

ALCS研究チームの代表を務める東京大学の河野孝太郎教授は「今回の結果は、これほど質量が小さく暗い初期宇宙の銀河の内部運動を直接測定し理論と比較できることを初めて示したという点で、非常に大きな意義があります。」とコメントしています。

 

図:ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した銀河団RXCJ0600-2007の画像に、アルマ望遠鏡で観測した129億光年彼方の銀河RXCJ0600-z6の重力レンズ像を赤色で合成した画像。銀河団による重力レンズ効果でRXCJ0600-z6の像は増光・拡大され、3つ以上に分かれて見えていました。Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Fujimoto et al., NASA/ESA Hubble Space Telescope

 

この観測成果は、Seiji Fujimoto et al. “ALMA Lensing Cluster Survey: Bright [CII] 158 μm Lines from a Multiply Imaged Sub-L* Galaxy at z = 6.0719”として米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に、またNicolas Laporte et al. “ALMA Lensing Cluster Survey: a strongly lensed multiply imaged dusty system at z > 6”として英国王立天文学会誌に、2021年4月22日付でそれぞれ掲載されました。

なお、本研究成果は天文学教育研究センターの河野孝太郎教授のほか、廿日出文洋助教、諸隈佳菜(日本学術振興会特別研究員)、吉村勇紀(大学院生)、物理学専攻の大栗真宗助教、天文学専攻の嶋作一大准教授が参加しています。

 

詳細については、国立天文台 のホームページをご覧ください。

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―