DATE2026.11.06 #Press Releases
超伝導を特徴づける2つの長さを計算可能に
― 実験に頼らない超伝導体の性能予測に道 ―
発表概要
横浜国立大学大学院工学研究院の河村光晶准教授、東京都立大学大学院理学研究科の野本拓也准教授、ヴュルツブルク大学のニクラス・ヴィット博士、東京大学大学院理学系研究科の有田亮太郎教授(理化学研究所創発物性科学研究センター チームディレクター)らの研究グループは、超伝導体を特徴づける2つの基本的な長さ「コヒーレンス長」と「磁場侵入長」を、実験データを一切用いずに計算する第一原理計算手法を開発しました。アルミニウムやニオブなどの単体金属から、高圧下で約200 K (-73 ℃)の高い転移温度を示す硫化水素まで、幅広い超伝導体について実験値をよく再現することを確認しました。本成果は、超伝導線材や超伝導磁石の設計、新しい超伝導体の探索に貢献すると期待されます。
本研究成果は、アメリカ物理学会(APS)が発行している国際科学雑誌「Physical Review Letters」(2026年11月3日付:米国東部時間)に掲載されるとともに、注目論文として「Editors' Suggestions」に選出されました。また、同じくAPSが発行している「Physics(Physics Magazine)」でも取り上げられ、解説記事が掲載されました。
図1: 本研究で開発した手法の概念図。(上)結晶中のクーパー対に、運動量 q のゆるやかな空間変調を与えます。(中)その状態の超伝導ギャップ Δq と超伝導電流 Jq を、温度 T と運動量 q の関数として第一原理計算で求めます。(下)得られた結果から、超伝導の秩序変数 Ψ(超伝導状態のそろい具合を表す量)が乱れから回復するのに要する距離であるコヒーレンス長 ξ0 と、外部磁場 H が超伝導体の内部にしみ込む深さである磁場侵入長 λL が決まります。
関連リンク
発表雑誌
| 雑誌名 | Physical Review Letters |
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| 論文タイトル |

