DATE2026.06.27 #Press Releases
巨大磁気嵐発達のカギは圧倒的な割合の地球起源重イオン
ーあらせ衛星が磁場変動の主役を直接観測ー
発表概要
名古屋大学宇宙地球環境研究所の北村 成寿 特任助教、東京大学大学院理学系研究科の笠原慧准教授、桂華邦裕助教、関華奈子教授らの国際研究グループは、ジオスペース探査衛星「あらせ」の地球近傍の宇宙空間の観測データと、太陽風の同時観測データを解析し、2024年5月に発生した巨大磁気嵐時のリングカレントを担うイオンの大部分が地球起源の重イオンであることを示し、そのイオンの分布の時間変化、空間構造の同定に成功しました。
磁気嵐時のリングカレントは高エネルギーイオンが主に担っていることが知られ、このイオンの組成やエネルギーなどの特性の理解は磁気嵐の発達の理解に決定的な要素です。リングカレントのイオンは太陽風起源と地球起源のものの混合であることが知られていました。今回の巨大磁気嵐の駆動源の太陽風は高密度で、太陽風起源イオンもある程度寄与する可能性も予想されました。しかし、観測されたイオンは地球起源イオン、特に重イオンが圧倒的で太陽風起源イオンの寄与は極めてわずかでした。これは、地球大気からのイオン供給、加速過程が巨大磁気嵐の発達に圧倒的に重要であることを示しています。さらに、リングカレントのイオンの高圧部では磁場強度が40%も減少しており、背景磁場の大きな変形を通じて、高エネルギーの電子の消失への大きな影響も期待されます。本研究結果は、核となる重要過程の同定を通じて、発生頻度の低い巨大磁気嵐時の地球周辺の宇宙環境変動の理解、予測に貢献する貴重な事例です。
本成果は、2026年6月27日午前3時付で米国総合国際学術雑誌 『Science Advances』 に掲載されました。
磁気嵐時のリングカレントを観測するジオスペース探査衛星「あらせ」のイメージ。
(Credit: ERG Science Team)
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名古屋大学
発表雑誌
| 雑誌名 |
Science Advances
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| 論文タイトル |

