DATE2024.09.27 #Press Releases
福井県嶺北地方に生息する新種レイホクナガレホトケドジョウの記載
―新たに記載された種とその保全に向けた今後の課題―
発表概要
ホトケドジョウ属は小型の淡水魚で、日本には在来種のホトケドジョウ、エゾホトケドジョウ、ナガレホトケドジョウ、トウカイナガレホトケドジョウの4種が分布しています。その中でナガレホトケドジョウは北陸、近畿、中国、四国地方の河川の源流域に生息し、種内に遺伝的に異なる4つの集団が見つかっていました。
今回、京都大学大学院理学研究科 片山優太 修士課程学生、澤田直人 同 博士課程学生(研究当時)兼 東京大学大学院理学系研究科 特任研究員の研究グループは、遺伝解析と形態解析によって、福井県嶺北地方でナガレホトケドジョウ嶺北集団として知られていたホトケドジョウ類が独立種であることを明らかにし、新種「レイホクナガレホトケドジョウ Lefua nishimurai」として記載しました。本種は以下の5つの特徴で同属の他種と識別されます。⑴眼が頭部背側に位置する、⑵吻端と眼の間に細い黒色縦帯がある、⑶体側、背鰭、尾鰭に小さな暗色斑がある、⑷背鰭と眼径が小さい、⑸尾鰭基底部の上下に黒色斑がある。本種は同属他種と比較して頭部の形態が異なっており、本種は嶺北地方の狭い範囲からしか見つかっておらず、個体数も非常に少ないため、今後更なる分布範囲と生態に関する調査を進め、保全していくべき状態にあると考えられます。
本研究成果は、2024年9月25日に、系統分類学の国際学術誌「Evolutionary Systematics」にオンライン掲載されました。
図:新種記載を行ったレイホクナガレホトケドジョウLefua nishimurai(撮影:片山優太)
関連リンク:京都大学
発表雑誌
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雑誌名 Evolutionary Systematics論文タイトル