DATE2024.07.25 #Press Releases
タンパク質凝集のコード解読
―アミノ酸配列からタンパク質分子の集まりやすさを予測する―
発表概要
理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター生体非平衡物理学理研白眉研究チームの足立景亮研究員(数理創造プログラム研究員)、川口喬吾 理研白眉研究チームリーダー(開拓研究本部川口生体非平衡物理学理研白眉研究チーム理研白眉研究チームリーダー、東京大学大学院理学系研究科附属知の物理学研究センター准教授)の研究チームは、タンパク質分子の集まりやすさやタンパク質凝集体の混ざりやすさを、アミノ酸配列に基づいて予測する理論を提案しました。
本研究成果は、膜を持たない細胞小器官の形成機構の解明に貢献し、将来的には、タンパク質のアミノ酸変異が細胞機能に与える影響を予測する理論に発展していくと期待されます。
生物の細胞内には、タンパク質などの分子で作られるさまざまな細胞小器官が存在します。細胞小器官には、ミトコンドリアなど膜で囲まれた構造体以外に、膜を持たないタンパク質凝集体も多いことが知られています。しかし、異なる種類のタンパク質凝集体が細胞内で混ざり合わずに共存できるメカニズムはほとんど分かっていませんでした。
今回、研究チームは、タンパク質凝集体の形成に関わる「天然変性領域」を構成するアミノ酸配列の特徴から、タンパク質同士の集まりやすさを予測する理論を提案しました。また、この理論を応用することで、異なる種類のタンパク質凝集体が混ざり合うかどうかを決めるアミノ酸配列の比較的単純なルールを解明しました。
本研究は、オンライン科学雑誌『Physical Review X』(7月18日付)に掲載されました。
図:アミノ酸配列に基づくタンパク質凝集の予測理論
詳しくは、理化学研究所 のホームページをご覧ください。
発表雑誌
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雑誌名 Physical Review X論文タイトル