DATE2024.01.24 #Press Releases
確率的ダイナミクスの緩和におけるトポロジーの効果を解明
――古典系のトポロジカルな設計原理の解明に向けて――
東京大学
理化学研究所
科学技術振興機構(JST)
発表概要
東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の澤田太郎大学院生、曽根和樹大学院生、沙川貴大教授、理化学研究所開拓研究本部の濱崎立資理研白眉研究チームリーダー(理化学研究所 数理創造プログラム 上級研究員)、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻の蘆田祐人准教授らの研究グループは、一次元的に動く古典系の確率的ダイナミクスに対して、緩和時間と緩和特性がトポロジカル指数と対応することを理論的に明らかにしました。これらの関係は、本研究で導入したトポロジカル指数である「巻きつき数」と、確率的ダイナミクスとの深いつながりを示しています。本研究結果は、既存の非エルミート系の研究では理解されていなかった、古典系の確率的ダイナミクスに特有のトポロジーの性質を初めて明らかにしたものであり、不純物などに起因する乱れに左右されない熱力学デバイスの設計原理や、生体内の確率的ダイナミクスの特徴の解明などにつながると期待されます。
図:本研究でトポロジーとの対応が示唆された緩和現象の数値的な検証
本研究成果は、「Physical Review Letters」に2024年1月24日(日本時間)に掲載されました。
詳しくは、東京大学大学院工学系研究科 のホームページをご覧ください。
発表雑誌
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雑誌名 Physical Review Letters論文タイトル