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受賞・表彰

DATE2023.03.15 #受賞・表彰

地球惑星科学専攻の平沢達矢准教授が、日本古生物学会学術賞を受賞

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平沢達矢准教授

 

地球惑星科学専攻の平沢達矢准教授が、日本古生物学会学術賞を受賞されることになりました。学術賞は、優れた研究成果をあげ、古生物学の進歩に寄与し、将来の発展が期待される方に授与されます。受賞対象となった研究テーマは、「脊椎動物の進化形態学研究」です。

平沢准教授は、脊椎動物の形態進化について、骨格化石の解析と現生種の胚発生の解析を通じて、古生物学や進化学で長年謎とされてきた問題に挑み、数々の画期的成果を挙げてこられました。

まず、哺乳類の進化的新規形質である横隔膜について、現生羊膜類における骨格筋前駆細胞の解析、化石種も含めた系統樹上での祖先復元、そしてニワトリ胚を用いた移植実験から、横隔膜が前肢筋の一部に由来した可能性が高いことを解明しました。また、カメの甲の進化的起源について、スッポンの胚発生の詳細な解析により、その背甲が内骨格由来であることを明らかにし、三畳紀の祖先的カメ類の比較形態解析の結果とも併せて、背甲を外骨格由来とする対立仮説との長年の論争に終止符を打ちました。最近では長年系統学的位置が謎であったデボン紀の化石脊椎動物Palaeospondylusについて、良好な化石の戦略的収集と、Spring-8におけるX線マイクロCT解析により、それが指を持つ四肢動物が進化した分岐点に近いものであることを解明し、世界的に注目されています。今後の益々のご活躍が期待されます。

日本古生物学会学術賞
https://www.palaeo-soc-japan.jp/awards/

(文責:地球惑星科学専攻 教授 遠藤一佳)