2022/12/19

小惑星リュウグウは彗星の近くで誕生

~内側太陽系から外側太陽系へと旅した高温鉱物をリュウグウから多数発見~

北海道大学

京都大学

東京工業大学

東京大学大学院理学系研究科

 

発表概要

北海道大学大学院理学研究院の川﨑教行准教授及び圦本尚義教授、京都大学白眉センターの松本 徹特定助教、東京工業大学理学院地球惑星科学系の横山哲也教授、東京大学大学院理学系研究科の橘 省吾教授らの研究チームは、宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ2」がC型小惑星「リュウグウ」から採取したサンプル中に、初期太陽系の高温環境で形成した鉱物を多数発見しました。

これまでの「はやぶさ2」初期分析により、「リュウグウ」はイヴナ型炭素質隕石に類似した物質であり、主に低温(約40℃)の水溶液からの析出物で構成されることが分かっていました。研究チームは、「リュウグウ」及びイヴナ型炭素質隕石から、高温環境(1000℃以上)で形成した鉱物を新たに多数見つけ出し、そのうち40粒子について、北海道大学の同位体顕微鏡(二次イオン質量分析計)を用いた分析を行い、その起源を特定しました。その結果、「リュウグウ」及びイヴナ型炭素質隕石の高温鉱物は、起源の異なる2種にはっきりと分けられました。それら高温鉱物は、内側太陽系の高温環境で形成した後、外側太陽系まで輸送され、「リュウグウ」及びイヴナ型炭素質隕石の母天体に集積したことが分かりました。

また、2種の高温鉱物の存在比率は、通常の炭素質隕石とは大きく異なっていただけでなく、米国NASAが2004年にスターダストミッションでヴィルド第2彗星から採取したサンプルと非常に似通っていました。このことから、「リュウグウ」及びイヴナ型炭素質隕石は、通常の炭素質隕石の母天体よりも太陽から遠い、彗星により近い領域で形成したことが分かりました。

なお、本研究成果は、2022年12月16日(金)、Science Advances 誌にオンライン掲載されました。

 

図:現在のリュウグウとヴィルド第2彗星の公転軌道は異なっている。しかし、天体に含まれている高温鉱物の酸素同位体組成は、両者の形成場所が近かったことを示唆している。

 

詳しくは、北海道大学 のホームページをご覧ください。

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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