2022/08/26

2022年6月10日、大学院数理科学研究科の小林俊行教授、フランスのランス大学より Doctorat Honoris Causa (名誉博士号)を授与

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小林俊行教授

 


2022年6月10日、大学院数理科学研究科の小林俊行教授が Doctorat Honoris Causa (名誉博士号)をフランスのランス大学より授与されました。心よりお慶び申し上げます。

小林教授は、1980年代から、世界に先駆けてリーマン多様体の枠組みを超えた不連続群の研究に取り組み、局所的に均質な高次元空間の大域的な形に関する不思議な現象を掘り起こしつつ、単独でその基礎理論を構築し、幾何学とリー群論にまたがる新しい研究領域をいくつも興しました。小林教授の研究は、「対称性」をキーワードとして、代数、幾何、解析にまたがる壮大なものであり、数学全体へ影響を及ぼしています。特に、「リーマン幾何学の枠組みを超えた均質空間における不連続群の理論の創始」、「無限次元表現の分岐則の基礎理論の構築」、「極小表現をモチーフとする大域解析学の創始」、「複素多様体における可視的作用の概念と無重複表現の統一理論の創始」は、スケールが大きく、特筆される研究成果として国際的に高く評価されており、数学における本質的なブレークスルーを実現しました。小林教授が創り出す新しい領域は、類例のない独創的なものであるにもかかわらず、その奥深くに古典的な例が豊富に取り込まれています。しかも数学の一分野に留まるのでなく、代数、幾何、解析の純粋数学3大分野が調和する自然な美しさと深さが世界の数学者を惹き付け、また、広範な分野で重要な国際会議の招待講演を務めるなど、現代数学の流れに大きな影響を与えています。また、最近は、「対称性破れ作用素の解析的理論」という新たなテーマを開拓され、海外の研究者を牽引して、未開拓のフロンティアに挑んでおられます。

フランスにおいても小林先生の興された研究の大きな流れが評価され、今回名誉博士号の栄誉に浴することとなりました。

本原稿の作成には、数理科学研究科関口英子准教授にご協力をいただきました。

末筆ながら、小林教授のさらなるご活躍を祈念致します。

ランス大学ホームページ

名誉博士号授与式の様子

(文責:数理科学専攻 教授 斎藤 毅)

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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