DATE2022.05.31 #受賞・表彰
牧島一夫名誉教授が瑞宝中綬章を受章
2022年春の叙勲において、本研究科名誉教授(物理学専攻)の牧島一夫先生が、公務等に長年にわたり従事し、優れた業績を挙げた方に授与される瑞宝中綬章を受章されました。心よりお慶び申し上げます。
牧島先生は、X線天文学の黎明期から飛翔体搭載X線検出器の開発と高エネルギー天体物理の観測的研究の両面で世界を牽引してこられ、日本のX線天文学分野が「お家芸」と言われるまでに発展する上で中心となって貢献されました。1981年には日本最初のX線天文衛星となった「はくちょう」の成果が認められ、衛星観測チーム(代表: 小田稔・元宇宙科学研究所長)として朝日賞を受賞しておられます。天体物理の業績で特筆すべき点は、白色矮星や中性子星・ブラックホールといった高密度天体から銀河団のような宇宙最大の構造まで、種族や規模を問わず天体に共通する物理現象を見抜き、その理解を極められた点です。これらの独創的な業績に対し、日本天文学会林忠四郎賞(2006年)、日本学士院賞(2015年)が授与されています。
牧島先生は1986年に助教授として着任されて以降、40名の博士取得者と17名の修士取得者を輩出され、「理学部広報」編集委員長やビッグバンセンター長を歴任されるなど本研究科の教育にも多大な貢献をされています。
この度のご受章を心よりお祝い申し上げますとともに、今後の益々のご活躍を祈念いたします。
内閣府ウェブサイト
https://www8.cao.go.jp/shokun/hatsurei/r04haru/meibo_jokun/zuiho-chujusho.pdf#page=19
(文責:物理学専攻 准教授 馬場 彩)