2022/04/12

辻直人准教授が令和4年文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞

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辻直人准教授

 


物理学専攻の辻直人准教授が令和4年文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞されました。受賞対象は「超伝導体におけるヒッグスモードの光共鳴現象の理論研究」です。

電気抵抗ゼロや完全反磁性という特異な性質で知られる超伝導は、量子力学効果が巨視的なスケールで現れる相転移現象の一つです。超伝導体中ではアボガドロ数程度ある電子が位相の揃った一つの波として振る舞い、その波の振幅(の自乗)は超伝導を担う電子対の密度に対応します。この振幅の振動は素粒子のヒッグス粒子と深い類似性があることからヒッグスモードと呼ばれます。ヒッグスモードは超伝導体に普遍的に存在する基本的な現象と考えられてきたにも関わらず、理論的な予言から50年以上の間、純粋な超伝導体において実験的に観測されていませんでした。辻博士はこの超伝導のヒッグスモードと光が非線形相互作用を介して結合することを理論的に明らかにしました。さらに超伝導体に光を照射した際に、その周波数の2倍が超伝導ギャップエネルギーに一致するときヒッグスモードと光が共鳴し、ヒッグスモードの振幅が発散的に増幅すること、それに伴って超伝導体から入射周波数の3倍の周波数の光が共鳴増大して放射されることを理論的に示し、実験によるヒッグスモードの検証に大きく貢献されました。辻博士の研究は超伝導体におけるヒッグスモードという新分野の発展に大きく貢献し、非従来型超伝導体の研究や、光誘起超伝導現象への応用などに研究が広がっています。

令和4年度文部科学大臣表彰
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00989.html

ご受賞をお祝い申し上げるとともに、今後の益々のご活躍を期待しております。

(文責:物理学専攻 教授 島野 亮)

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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