2021/06/21

生物科学専攻の入江直樹准教授が、日本進化学会研究奨励賞を受賞

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入江直樹准教授


生物科学専攻の入江直樹准教授が、日本進化学会研究奨励賞を受賞しました。研究奨励賞は,進化学や関連する分野において,研究業績上大きな発展が期待される若手の学会員に授与されます。受賞対象となった研究テーマは「個体発生と系統発生の一般則解明」です。

入江准教授は、動物の個体発生と系統発生(進化)の間に一般則が存在するのかという19世紀から続く長年の命題に取り組み、脊索動物において胚発生の途中段階が進化的に保存されているという「発生砂時計モデル」を実験的に支持する研究成果を発表してきました。

個体発生と系統発生の関係については、1866年の Ernst Haeckel の反復説をはじめ、複数の学説が「発生の初期ほど祖先的である」とされてきましたが、検証可能性に乏しい観念論的な議論として、現代生物学から取り残されてきました。入江准教授は、分子発生生物学や大規模情報解析技術を応用することにより、古典的予想を覆し「発生砂時計モデル」が一般則として妥当であるとする一連の実験的証拠を提示することができました。これは、なぜ動物のボディプランが、数億年の進化スケールを越えても強固に保存され続けてきたのか、という問題の理解にも資する成果です。さらに、遺伝子の使いまわしが、生物の特徴である多様化を促進もすれば、制限もしうる諸刃の剣であるという画期的な観点と結果を提示する成果もあげられました。入江准教授のご研究の益々のご発展を祈念申し上げます。

日本進化学会2021年度研究奨励賞
http://sesj.kenkyuukai.jp/special/index.asp?id=35546


(文責:生物科学専攻 教授  武田洋幸)

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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