DATE2021.03.25 #受賞・表彰

西増弘志教授が2021年度「InaRIS」フェローに採択されました

西増弘志教授

先端科学技術研究センター（理学系研究科生物科学専攻兼務）の西増弘志教授が、公益財団法人稲盛財団による研究助成プログラム「稲盛科学研究機構（InaRIS：Inamori Research Institute for Science）フェローシップ」に採択されました。本プログラムは、10年間・総額1億円という長期間の助成により、研究者が短期的な成果にとらわれることなく好奇心の赴くままに壮大なビジョンと大きな可能性を秘めた研究に取り組むことを支援するものです。

西増氏はタンパク質や核酸がはたらく分子メカニズムを研究してきました。とくに、細菌のもつCRISPR-Cas獲得免疫システムに関与する多様なCas酵素の構造機能研究および応用技術開発において顕著な成果を挙げてきました。2014年、Cas9-ガイドRNA-標的DNA複合体の結晶構造を世界に先駆けて決定し、CRISPR-Cas9によるDNA切断機構を明らかにしました。さらに、構造情報をベースにCas9に変異を導入することにより、標的DNAに対する特異性の異なるCas9改変体を作製し、ゲノム編集技術の適用範囲の拡張に成功しました。西増氏は2020年に独立した新進気鋭の構造生物学者であり、InaRISフェローシップの支援により、新規なCas酵素をはじめとする未知のタンパク質-RNA複合体の基礎・応用研究を通じて生物学の発展に貢献していくことが期待されます。このたびの採択をお祝い申し上げますとともに、ますますのご発展を期待しております。

稲盛科学研究機構「InaRIS」2021年度フェロー
https://www.inamori-f.or.jp/210319_inaris

（文責：生物科学専攻 教授  濡木 理 ）