DATE2026.10.07 #受賞・表彰
硤合 憲三先生(本学部卒業生)のノーベル化学賞受賞をお祝いして
東京大学大学院理学系研究科長・理学部長
田近 英一
このたび、本学理学部の卒業生で、同大学院理学系研究科で学位を取られた硤合 憲三先生(東京理科大学名誉教授)が、長年にわたる優れた研究成果を高く評価され、ノーベル化学賞を受賞されましたことを、心よりお祝い申し上げます。
硤合先生は、1974年3月に東京大学理学部化学科を卒業された後、東京大学大学院理学系研究科化学専攻に進学、1976年3月に理学修士、1979年3月に理学博士の学位を取得されました。その後、米国に渡られ、東京理科大学にて有機合成化学の研究に従事してこられました。その間、「硤合反応」と呼ばれる不斉自己増殖反応を発見されました。自然界の有機分子の多くは右手と左手のように互いに鏡に映した関係にある「鏡像体」が存在します。硤合反応は、ほんのわずかであっても偏りのある物質が反応系中にあれば、それを「種」として反応生成物の鏡像体がどちらか片方のみ「増殖」することを発見されたものです。「なぜ地球上の生命に関わる有機分子は二つある鏡像のうちの一つに偏っているのか」という生命の不斉起源の謎にも関わる重要な自然現象の一つとも捉えられています。長年の研究のなかでありとあらゆる不斉物質を不斉源として吟味され、極めて普遍的な現象であることまでも実証されてきました。
今回のご受賞は、学術の発展に大きく貢献するものであり、次代を担う学生や研究者にとっても大きな励みとなるものと確信しております。

