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受賞・表彰

DATE2026.05.08 #受賞・表彰

東山哲也教授が令和8年春の紫綬褒章を受章


東山哲也教授

生物科学専攻の東山哲也教授が、長年にわたる植物科学分野の研究・教育・発展への功績により、紫綬褒章を受章されました。心よりお慶び申し上げます。

東山教授は、長年にわたり植物生殖研究の世界的先導者として当該分野を牽引してこられ、受精の全過程可視化および受精の鍵分子群の同定など、植物学における優れた業績を挙げてこられました。

被子植物の有性生殖の特徴として、重複受精が挙げられます。東山教授の研究の出発点は、トレニアという植物材料の利点を基に、花粉管の伸長から重複受精に至る全過程を生きた状態で観察できる体外重複受精系を開発したことにあります。東山教授は、この体外重複受精系とレーザー操作技術・細胞分子生物学的解析を組み合わせ、ルアー(LURE)と名づけたペプチド分子が花粉管誘引物質であることを突き止められました。さらにこのルアーを糸口に、花粉管受容を制御する重要シグナリング因子群を同定されています。また、シロイヌナズナを材料としたライブイメージング基盤を整備され、多数の未知の生殖プロセスを発見・映像化するとともに、植物生殖ライブイメージング研究という新たな研究領域確立に貢献されました。加えて、花粉管誘導の種選択性が種間障壁を規定し、その打破が新種誕生に繋がる可能性を示すなど、植物の種の成り立ちに迫る研究も展開されています。

これらの優れた業績に対し、日本植物学会賞特別賞(技術)、日本植物形態学会平瀬賞、日本学術振興会賞、ゴールド・メダル賞、木原記念財団学術賞、井上学術賞、中日文化賞、日本植物学会学術賞、朝日賞、日本植物形態学会賞、みどりの学術賞が授与されています。

近年は、重複受精をしないネジバナや精子で受精するソテツなどを材料に、多様な植物生殖の在り方とその進化に関する研究にも取り組まれています。この度のご受章を心よりお祝い申し上げますとともに、今後の益々のご活躍を祈念いたします。

令和8年春の勲章・褒賞:紫綬褒章

(文責:生物科学専攻 教授 大谷 美沙都)