DATE2026.01.13 #受賞・表彰
土本菜々恵先生が第42回井上研究奨励賞を受賞

土本 菜々恵 先生
ビッグバン宇宙国際研究センター学術振興会特別研究員の土本菜々恵氏が、第42回井上研究奨励賞を受賞されました。本受賞は、土本氏が東北大学理学研究科天文学専攻に提出した博士研究論文「中性子星合体の可視光・近赤外線スペクトルの解読と重元素合成の理解」に対するものです。
土本氏が行った研究は、宇宙物理学における大きな謎の一つである“重元素の起源”に迫るものです。
2017年、重力波観測によって中性子星合体が検出され,この合体に付随して合体後およそ1日から1週間ほど可視光・近赤外天体キロノバが観測されました。中性子星合体はその名の通り中性子をふんだんに含んだ星であり、それらが合体すると一部の中性子過剰な物質が飛び出します。この物質の中で中性子が原子核に取り込まれることで、鉄よりも重い元素が生成され、宇宙に供給されたと考えられています。
土本氏の功績を一言で言えば、キロノバの分光データを解析することでランタンとセリウムの吸収線を特定し、この中性子星合体で確かに重元素が生成されたことを明らかにしたということです。しかし、土本氏の功績の裏には、重元素の原子構造計算、原子と光の反応率、キロノバ中での輻射輸送シミュレーションなどを自ら推し進めたという多大な努力があります。中性子星合体からの光を使った、宇宙における重元素の生成を解き明かす研究は始まったばかりなので、土本氏の今後の研究発展が楽しみです。
(文責:ビッグバン宇宙国際研究センター准教授 仏坂健太)

