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受賞・表彰

DATE2025.12.15 #受賞・表彰

井手口拓郎准教授が「島津奨励賞」を受賞


井手口 拓郎 准教授

理学系研究科附属フォトンサイエンス研究機構の井手口拓郎准教授が、2025年度島津奨励賞を受賞されました。心よりお祝い申し上げます。

今回の受賞は、「超解像赤外顕微鏡の開発」に関する顕著な業績が高く評価されたものです。井手口准教授は、赤外吸収による屈折率変化を可視光で検出する中赤外フォトサーマル顕微鏡という新しい観察技術の黎明期から分野を牽引し、赤外光単独では困難だった高分解能な分子振動顕微観察を可能にしました。

世界初となるワイドフィールド型顕微鏡の提案・実証に加え、光回折トモグラフィによる生細胞の3次元画像取得、独自開発のレーザー光源による信号対雑音比の大幅改善、50 fpsの超高速計測の実現など、数々の技術革新を達成されています。

さらに近年では、赤外フォトサーマル効果によって細胞内に局所的かつ定常的な温度分布を形成すると、温度勾配に沿って分子が移動する熱泳動現象が生じることを発見し、世界で初めて細胞内のLudwig–Soret効果をラベルフリーで観測することにも成功しました。本技術により、細胞内の流動性と生命活動(生死・老化・非平衡揺らぎなど)との関係を新たな視点から探究することが可能になると期待されます。

本受賞は、これらの先進的かつ独創的な研究成果が高く評価されたものです。井手口拓郎准教授は、光計測技術の開発とその異分野への応用において先駆的な研究を推進されており、現在も多岐にわたる研究を展開されています。今後ますますのご活躍を心より期待申し上げます。

 

公益財団法人 島津科学技術振興財団 島津奨励賞

 

(文責:フォトンサイエンス研究機構  名誉教授/特任研究員 三尾典克教授)