DATE2025.11.03 #受賞・表彰
塩谷光彦名誉教授が、令和7年秋の紫綬褒章を受章

塩谷 光彦 名誉教授
塩谷光彦名誉教授が、令和7年秋の紫綬褒章を受章されました。塩谷名誉教授は理学系研究科化学専攻を令和6年に退職され、現在は東京理科大学研究推進機構総合研究院の教授として活躍されています。
塩谷名誉教授は、永年にわたり、錯体化学、超分子化学、生物無機化学の教育と研究に尽力されました。その研究は超分子金属錯体の化学を基盤とし、分子やイオンの配列・動的構造を巧みに制御し、更には多彩な空間機能を創出することで、物質化学分野において世界を先導してきました。
塩谷名誉教授が創成された新物質は多岐にわたり、特に世界に先駆けて金属錯体型人工DNAを開発され、触媒活性を有するDNA触媒やLogic Gateシステムの開発にも成功されました。さらに、分子認識能と反応場を兼ね備えた多孔性超分子結晶の構築を成し遂げられ、ナノスケール空間の化学に関して新たな方向性を示されました。また、置換活性な金属錯体の「金属中心の不斉誘導」と「絶対配置の安定化」に世界で初めて成功されたことは、不斉金属の化学における大きなブレイクスルーとなりました。
これらの卓越した研究業績により、文部科学大臣表彰 科学技術賞(2016年)、錯体化学会賞(2018年)、日本化学会賞(2020年)、International Izatt-Christensen Award(2022年)、日本核酸化学会賞(2023年)など、数々の栄誉ある賞を受賞されています。
この度の塩谷名誉教授のご受章を心よりお祝い申し上げますとともに、今後ますますのご健勝とご活躍を祈念いたします。
(文責:化学専攻 教授 楊井伸浩)

