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受賞・表彰

DATE2024.09.25 #受賞・表彰

久保健雄教授が2024年度「日本動物学会賞」を受賞


久保健雄 教授

生物科学専攻の久保健雄教授が、動物学の進歩発展に重要な貢献をなす業績を挙げられた研究者に授与される「日本動物学会賞」を受賞されました。心よりお慶び申し上げます。

久保教授は、ミツバチの社会性行動とカエルの器官再生の両分野において革新的で分野を先導する独創的な研究成果を挙げてこられました。

久保教授はミツバチが示す高度な社会性行動の分子基盤について、その黎明期から同分野の研究推進・開拓に尽力され、ミツバチ脳の高次中枢であるキノコ体に選択的に発現する遺伝子群を網羅的に同定し、遺伝子プロファイルに基づく新たな高次脳領野の分類を確立されました。さらに行動に応じて発現が変動する遺伝子の解析から各行動に関連する遺伝子や脳領野を明らかにされるとともに、祖先的なハチ目昆虫との比較解析からミツバチの高次脳機能の進化に関して基盤となる重要な考察を提唱されました。また、世界で初めてミツバチのゲノム編集技術の開発に成功するなど技術的にも同分野の発展を支える重要な貢献をされています。

久保教授は同時にカエル幼生(オタマジャクシ)がもつ尾の再生能力に着目した独創的な研究も推進し、再生能力を一過的に失う時期とその後の時期について先端技術を用いた詳細な遺伝子発現解析と遺伝子改変実験を組み合わせ、器官再生において免疫関連遺伝子が重要な役割を果たすことを初めて実証しました。さらに再生組織の増殖細胞の解析から、再生に必須かつ再生の初期段階を人為的に再現可能な遺伝子を同定するなど、学術的にも将来の応用を見据えた点でも重要な貢献をされました。また、久保教授の研究室の卒業生(共同研究者)の方たちの多くは、アカデミック分野等で活躍されています。

久保教授の両分野の業績に対するこの度のご受賞を心よりお祝い申し上げますとともに、今後の益々のご活躍を祈念いたします。

2024年度日本動物学会賞

 

(文責:生物科学専攻 國枝 武和 准教授)