DATE2024.05.10 #受賞・表彰
石井志保子特任教授が、春の叙勲において瑞宝中綬章を受章
数理科学研究科名誉教授・特任教授の石井志保子先生が、令和6年4月29日付けで発令された春の叙勲において、瑞宝章中綬章を受章されました。平成7年の猿橋賞受賞、平成23年の日本数学会代数学賞受賞、令和3年の恩賜賞・日本学士院賞受賞に続く栄誉となります。
石井先生は日本を代表する特異点論の研究者であり、その業績は世界的にも極めて高く評価されています。特異点は幾何学や解析学のあらゆる局面に現れ、様々な困難を引き起こします。この特異点を豊かな研究対象と捉え、その性質・構造を解析するのが特異点論です。いくつかの多項式の共通零点集合として表される図形を代数多様体といいますが、石井先生は代数幾何学の立場から代数多様体の特異点を研究されています。Du Bois孤立特異点の双有理幾何的研究、J.F Nashによって提起されたNash問題の否定的解決、トーリック多様体の弧空間の組み合わせ論的記述、Mather-Jacobian食い違い係数の導入など、多岐にわたる著しい業績をあげていらっしゃいます。
石井先生は、女性研究者のロールモデルとして、女性研究者支援やダイバーシティ推進にも積極的に取り組んでこられました。その取り組みはアカデミアに留まらず、実社会にも大きな影響を与えています。
この度のご受章を心よりお祝い申し上げますとともに、今後の益々のご活躍を祈念いたします。
令和6年春の叙勲等 https://www8.cao.go.jp/shokun/hatsurei/r06haru/meibo_jokun/zuiho-chujusho.pdf
(文責:数理科学研究科 教授 高木俊輔)